Last update:2006.10.05
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三大FPSの一つに数えられる傑作「Unreal」の続編である。初代Unrealは1998年にQuake2キラーのタイトルとして登場し、PCゲームにおけるグラフィック水準をあっという間に塗り替えたことで有名である。さらにシングル・マルチともに質が非常に高く、FPSの歴史にその名を刻むこととなった。Unrealはその後「Unreal
Tournament」というマルチプレイ特化のタイトルになり進化を続けることになったが、初代から実に5年後に、ようやくシングルプレイ特化の続編が発売されたのだ。それがこの「Unreal2」である。
ゲーム内容そのものは初代Unrealから大きく変更されており、別物のようになっている。まず延々と銃を片手に冒険を繰り広げるスタイルではなくなり、ミッション制でレベルごとに目的やマップが大きく異なる(各ミッションは独立している)。ストーリーも孤独な囚人が脱出を目指すというものから、宇宙パトロール部隊の執行官として各惑星を渡り歩いていくという内容に変わった。ゲームの主な目的は各惑星に散らばった「アーティファクト」を集めることであり、色々な場所を転々として、その最も奥深くまで進んでミッションクリアとなる。
ゲームそのものが面白いかどうかは取り合えず置いておくとしても、Unreal2は紛れもなく”大作”だ。PCゲームの歴史には、最初から大セールスを見込んで作られた作品がいくつもあったが、このUnreal2ほど大作感をひしひしと感じられるゲームはあまりない。
まずゲームを起動させた瞬間から、ベンチマークさながらの壮大なオープニングデモが始まる。そのままゲームをスタートするとグラフィックの美しさはもちろん、その広々とした空間のスケールに圧倒されてしまう。しかもこれがミッションごとに大きく移り変わる。荒廃した砂漠の大地の上に立ったと思ったら、凍えるような吹雪の中を歩かされることもある。ゲームをクリアするまでの時間は15時間程度なのだが、その間に10個近くの全く雰囲気の異なるマップを歩かされる。
またUnrealの続編と謳うだけあって、色彩センスが光っている。特に美しいのは屋外だ。質感溢れる木や草は非常に現実的である。このゲームは単なるグラフィック技術だけでなく、色の使い方にも相当力を入れているので、現在でも見るべきものは多い。もちろん屋内のテクスチャも(多少の出来不出来はあるが)よく出来ており、特に終盤の機械化惑星は全ゲーマー必見の迫力と言える。エフェクトの光も芸術的で、このレベルの光の美しさを見せてくれるゲームは他にない。グラデーションが見事で思わず見とれてしまう。キャラクターでは前作からのゲスト出演となるSkaarj<スカー>が非常に迫力のある描かれ方をされており、筋骨隆々なその様子は敵ながら格好良い。
本作にはこのような出し惜しみのない演出が数多く込められており、これをクリアしただけで並のゲーム3本分くらいの充実感を味わうことができると思う。そのためプレイしていて飽きることがない。これくらい雰囲気の変化に拘ったゲームは、あのNOLF以来ではないだろうか。ゲームプレイの感覚は大きく変わっているが、このような全体を包み込む豪勢な感じは間違いなくあのUnrealだ。

ミッション毎にマップの様子が大きく変わる、実に贅沢な旅を楽しむことができる
グラフィックの話ばかりしてしまったが、FPSの核となるアクション部分のバランスの取り方も上手い。全体を通して難易度はやや高めの部類に入り、中盤の対人間戦などは適当に戦うだけだとNormalでも先に進むことができない。特にショットガンやマシンガンは目視では避けられないし、ロケットランチャーは直撃すると凄まじいダメージを受けてしまう。だがよく周囲を見渡して遮蔽物を盾にしながらヒット&アウェイで戦ったり、上手く先制攻撃するとちゃんとノーダメージで突破することができるように出来ているのだ。このバランスが絶妙である。このためクイックロードして何度もやり直し、工夫して敵を撃破していくのが面白く感じる。
戦略性重視のゲーム性になったために、プレイヤーの移動速度は大きく落とされている。Unreal2の世界では、通常のFPSの歩く程度の速度でしか走ることができないのである。これは私もちょっと遅過ぎると感じるところだ。プレイヤー自身も体を上下に歩きながらズシズシ歩くが、屋外マップで長距離移動をするときはこの遅さが苦痛に感じることがある。また戦闘もじっくりとした感じでスピード感がない。慣れればどうということはないのだが、もう少しスピーディーに動けたらと思う。
武器は初代Unrealに倣い、全て2種類の攻撃モードを使い分けることができるので、これをどう使い分けていくかを考えるのも楽しい。武器の種類自体も豊富で、定番のアサルトライフルから火炎放射器、レーザービーム、スナイパーライフルと色々用意されている。これらを上手く組み合わせ、やってくる敵を撃破する必要があるのだ。弾薬も武器全体を合わせればかなり豊富だが、一つだけ使い続けているとすぐ切れてしまうというバランスで良い。このゲームは通してプレイしても、ここは明らかにバランスがおかしいと感じる箇所が一つもなかった。バランスの良いゲームの好例と言えるだろう。
ただし難易度的にはFPS中級者向けの調整と言えるだろう。工夫すれば勝てるということは、適当にやっても勝てないということだ。特に中盤以降はセーブも丁寧に行わなければならないし、ダメージを受け過ぎたときにクイックロードする判断も必要になる。アクションゲームが苦手な人が通常難易度でプレイしたら、戦闘が難しくて詰まってしまうかもしれない。それでもこのゲームは当てる技術よりかは考える能力が要求されるので、やる気がある人には臆せずトライしてもらいたい。

適当に突進するだけでは到底生き延びられないバランスになっている。指だけでなく頭も使う必要があるのだ
本作の中盤の敵はもっぱら人間になり、全体の7割近くは対人戦になっている。そうなると重要になるのが敵AIなのだが、このAI、シングルプレイの敵としてより、どちらかというとマルチプレイゲームのBOTのような動き方をする。こちらの攻撃を避けるために、射撃をしながらも後退して岩陰などに隠れてしまうため、もう一度出てくるところを素早く狙撃したり、逆にこちらから躍り出て撃破する必要がある。逆に変な動きはほとんどないので、人間のAIはなかなか良い出来である。
戦闘の大きな特徴としてはミッション中に防衛戦が発生することがあり、砲台や味方AIを配置して一定時間持ちこたえるシーンが存在する。砲台は好きな場所に設置することができるし、味方には施設のどこを守るかの大雑把な命令を下すことができる。これもどちらかというとマルチプレイ的な楽しみがあり、戦略要素も大きくアクセントとして非常に有効に働いている。シングルプレイゲームにマルチプレイのような面白さを持ち込むというのは、Unrealシリーズならではの工夫だろう。
不満としては、全体を通して戦闘密度が薄いことが挙げられる。敵の絶対数が少なく、QuakeやDoomのように次々と襲い掛かってくる敵をバタバタ薙ぎ倒していくような爽快感がない。マップを歩いていてもストーリー上の演出などが結構多く、じっくりし過ぎている印象を受ける。またレベルの作り方は多彩だが、敵の種類がやや少なく物足りなさが残る。ボス戦が所々に用意されていることは評価したいが、このゲームにはもう少し戦闘の山場を用意するべきであったろう。

防衛戦のミッションは面白いアクセントになっており、戦闘が単調にならないよう工夫されている
このUnreal2を開発したLegendという会社は、元はアドベンチャー・ゲームで有名な会社なので、このゲームもストーリーにそれなりに力を入れている。だがこれがどうも上手くいっていない。会話シーンには専用のカットが入ることも多いのだが、アクションゲームにも関わらずこの割合が結構多く、ゲームのテンポを削いでしまっている。これがかったるく、このゲームの最大の欠点のような気がする。ストーリー自体も特に面白くはないので冗長な感じだ。
またキャラクターの魅力に欠ける。プレイヤー以外に同じ船に乗っている仲間が3人いるが、ミッション中は常に一人なのであまり連帯感を感じないし、任務の外から声だけ聞かされてもあまり盛り上がらない。それぞれのキャラには過去の悔いのようなものが設定されているが、ストーリーに大した影響がないし何よりキャラに説得力がない。例えばアイダという女性は物凄い天才という設定になっているが、見た目は異様に露出が激しく髪型もポニーテールなのでただの馬鹿にしか見えない。任務の外でしか会わない仲間の過去の話を聞かされてもフーンとしか言えない。はっきり言ってストーリーはかなりチープな作りでReturn
to Na Paliの頃から進歩がないように思える。演出の見せ方が致命的に下手である。ただエンディングだけは余韻を残していてそれなりに面白いと思ったが。
BGMはかなり控えめで、無音に近いことが多いが、もう少し激しい感じの曲を入れた方が盛り上がったと思う。このゲームには印象に残るサウンドがない。パッチにてEAXに対応したが、これも明らかに後付というレベルでありあまり効果がない。
最後に全体的に無難にまとまり過ぎており、これというパンチに欠ける。グラフィックが滅茶苦茶綺麗なことは認めるし戦闘のバランスも良くて面白いと思うが、このゲームならではの特徴がなく、強烈に引き付けられるものがない。idの作品のようにシンプルなだけでとてつもなく面白いゲームというのも存在するが、その域には達していないと言える。

ストーリー演出ははっきり言って余計であった。もっと戦闘シーンを充実させるべきである。
最初から最後までサービス精神に溢れており、純粋にプレイしていて楽しめるタイプのFPSに仕上がっている。B級と呼ぶにはバランスが整い過ぎているが、A級と呼ぶにはパンチが足りないという印象だ。Unrealの続編としてはともかく、一つの作品としてみれば十分に成功していると言えるだろう。ただしゲーム性は初代Unrealからかなりかけ離れているスロータイプのFPSとなっているので、そういう意味で好き嫌いは分かれるかもしれない。
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Unreal(R) II - The Awakening (C) 2002 Epic Games Inc. Raleigh, N.C. USA Unreal and the Unreal logo are registered trademarks of Epic Games, Inc. ALL RIGHTS RESERVED. Unreal II - The Awakening was created by Legend Entertainment, an Infogrames studio and was manufactured and marketed by Infogrames, Inc. New York, NY, under license from Epic Games, Inc. The Atari trademark and logo are the property of Infogrames.