Last Updated:2007.10.10 / First Edition: :2006.06.01
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●概要
TeamFortressClassic(以下TFC)は、ネットワーク対応型のチーム戦FPSとしては最古の部類に入る作品である。最初に出たのが1996年のQuakeのMODとしてのヴァージョンで、以降TFは単体版としては出ずMODという形態のまま、様々なゲームを渡り歩いていった。Q3AやUnrealのMODヴァージョンなどもあるのだが、現在最も有名で人も多いのが、あの名作Half-LifeのMODとしてリリースされたTFCである。デモ版でもかなり遊べる内容だったので、実は日本でもある場所で普段PCゲームをやらない層を巻き込みブームとなったことがある。
●クラス制の対戦型FPS
ネット対戦聡明期にQuakeのMODとしてリリースされただけあり、撃ち合いの内容に関してはスポーツ系FPSの典型ともいえる内容になっている。チームという名前がついている通り完全にチーム対戦を前提にしており、お互いの要塞(Fortress)に分かれて戦い合うというのが基本である。ルールについては後述するが、一般的なのはCTF(キャプチャー・ザ・フラッグ)になる。
そしてこのTFCで最も特徴なのが「クラス(職業)制」というシステムである。チームに所属する各人は自由に自分のクラスを選択することができ、それぞれのクラスごとに能力は全く異なるのだ。今でこそBattle
Fieldといった作品でクラス制のゲームが一般に認知されているが、その原型とも言えるのはこのTFCである。
クラスは9種類(+特殊ルール用に1種類)用意されており、クラスごとに初期装備・移動速度・耐久力などの戦いに重要な値が異なっている。最も一般的なのは最初からロケットランチャーと耐久性に優れたアーマーを装備している「ソルジャー」だが、例えば「スカウト」を選択すると、軽装備と俊敏な足を持つことができる。あまりにも装備が貧弱なので正面から撃ち合うことは難しいが、CTFで最も重要である旗取りとしての能力がズバ抜けているのだ。よって他のクラスが戦っている間に、その俊足を活かして敵陣にある旗を奪ってしまうのがスカウトの役割なのである。
「メディック」は医療役として回復キットを持っており、拠点となる要塞から離れた場所で戦う他の戦士達の傷を癒し、持久力を高めることができる。さらに回復キットは敵に対して使えば、ほとんど不治といえる病原菌を移す凶器となる。他のクラスに同行すれば頼もしい回復役として親しまれるだろう。
「スパイ」は通常の戦いにはまるで役に立たないが、変装をすることにより敵のどのクラスにでも自在に成りすますことが可能となる。人気のない場所からこっそり敵陣に潜入し、味方を撃ち殺しているスナイパーの背後に回り込めば、専用武器のナイフで暗殺することが可能だ。さらに幻覚剤を撒き散らす特殊な武器を使ったり、敵陣の防御兵器の破壊工作を行うことができる。
「エンジニア」もまた戦闘クラスに劣る能力しか持たないが、自動砲台という強力な兵器を好きな場所に設置して、自陣の防御をすることができる。さらに弾薬を自動的に生成する機械を設置したり、他人のアーマーを修理することが可能だ。チームの守護神として活躍するのがエンジニアの醍醐味だ。
他にも足は遅いが超強力な武装をした「ヘビーウェポンガイ」、火炎放射器で敵を焼き尽くす「パイロ」、要塞から敵を狙撃する「スナイパー」などといったクラスが揃えられている。長々と解説してきたが、ここで言いたいのはクラスごとに非常に極端な特徴付けがされており、クラスによって自分のやるべきことやプレイ感覚が全く違うものになるということだ。ひたすら戦いたければソルジャーになって敵とドンパチを繰り広げればいいし、守りが薄いと思えばエンジニアになって防御力を強化するべく奔走すればいい。対戦中はいつでもクラスを変えることができるので、自分の気分や状況に応じてクラスを変更することができるのである。

●極めて戦略性の高い内容
このゲームはチーム戦はチーム戦でも、デスマッチではなくCTFや陣取り合戦といったルールに特化しているのが特徴である。ここでメインのモードがチームデスマッチなら、クラスを変更しても結局相手を殺すだけに終始してしまうだろう。ところがTFCでは上手く連係や職業ごとの長所を駆使して戦わなければ決して勝てないようにできている。最初にも書いたとおりお互いの陣地は堅牢な要塞を意識して作られている上、味方は全員要塞内で復活するので、適当に突っ込んでも旗に触れることすらできず殺されてしまうだろう。
そこでお互いの長所を組み合わせての戦いが必要になる。例えば旗取りであるスカウトと、戦闘役であるソルジャーが組むのは最も一般的なスタイルだ。ソルジャーが敵を蹴散らしている間にスカウトが素早く敵陣深くに侵入するのである。他にもヘビーウェポンガイ+メディックで戦いながら傷を癒して自陣を守ったりとか、それらを援護するスナイパーとか、互いに連係を取ることで何倍も強さが違ってくるのである。ここにTFCのチームゲームとしての醍醐味がある。
また力押しが難しいということは、より戦略性が重要視されるということだ。チーム内でどういう組み合わせを作り敵陣を突破するかということもそうだし、エンジニアの設置する砲台などは設置位置が非常に重要になる。要塞は巨大な故、一度侵入を許すと心臓部までの経路がいくつかあるため、どこに何人くらいの守備を置くべきかも考えなければならない。他にもスパイを使い、死んだ敵の振りをして自陣の要塞内で待ち伏せしたりだとか、頭を使えばいくらでも戦法を思いつくだろう。この戦略性の高さは、単純に殺しあうだけの他のスポーツ系FPSとは明らかに一戦を画している。

●いかにもQuakeらしいアクション
TFCは戦略性の高い内容とは裏腹に、撃ち合いやテクニックの面ではQuakeの流れをそのまま受け継いでいる。最も基本的な職業のソルジャーのメインウェポンは、Quake系のゲームで一番人気のロケットランチャーで、当てるには先読みが必要となる。その他にもネイルガンやショットガンといった定番の武器が用意されており、昔の作品で腕を磨いた御仁はその実力を十分に発揮することができる。特徴と言えば全てのクラスがグレネードを最初から所持していることだろう。通常のグレネードと専用グレネードの2種類があり、専用グレネードはクラスによって中身が異なる。またグレネードはボタンを押しっぱなしにしておくことで、武器を使いながらでもピンを抜くことができ、忙しい戦闘中にも2,3秒ためてから的確にグレネードを当てることがTFCで勝ち残る必須テクニックとなっている。特殊グレネードには爆発する前に釘をばら撒くもの、爆発後にさらに小型グレネードが拡散して大爆発するもの、振動で敵に目眩を発生させるものなど多種多様である。この特殊グレネードもまた、クラスを特徴付けるのに一役買っている。
ところでスポーツ系FPSといえばジャンプテクニックなわけだが、それはこのTFCにも当てはまる。ロケットランチャーで飛び上がるロケジャンはもちろん、目眩を引き起こすコンクグレネードで高く飛び上がるコンクジャンプ、グレネードの爆風で吹き飛ぶグレジャンなど、マイナーなものも合わせると結構な数があると思う。特にロケジャンとコンクジャンプは敵の要塞に一気に潜入する強力な技なので、中級者以上は必携のテクといえるだろう。もちろん初心者が撃ち合いをする分にはなくても全く困らないが、覚えてみると奥の深い世界が待ち受けている。
TFCは多人数でのチーム戦、即復活可能ということもあり、常時非常に激しい乱戦になることが普通である。そのため乱闘系のゲームが好きな人にも楽しめるだろう。

●多彩なゲームルール
旗の取り合いであるCTFが基本なのだが、それ以外にも攻撃側と防御側に分かれて激しく撃ち合うダストボール、自陣にある旗を特定のポイントまで運んでいくテリトリアルコマンド、一人が大統領(VIP)となり敵チームのスナイパーから守っていくハンテッド、サッカーボールを蹴っていくプッシュなど、様々なルールが用意されている。特に人気なのがCTFとダストボールで、この二つを採用している人気サーバーには常時24-30人程度の人がいて対戦が行われているほど。クラスが9種類も用意されていることと合わせて末長く楽しむことができるだろう。
●一部バランスに難あり
このゲームには、ゲーム内では設定されていない様々なローカルルールが存在することでも有名である。最近のゲームと違ってややバランスの悪い行動が出来てしまう上にパッチによる修正もないのが原因であろう。代表的なものではリモコン式爆弾によるキャンプ、パイロの火炎ロケット乱れ撃ちなど。これらはサーバーの看板に書かれていることも多く、中にはこのような行為を行った場合BAN(サーバーから弾かれた上に一定期間〜無期限の出入り禁止)をするというところもあり、相当神経質になっているようだ。私としてはこういうローカルルールというのは人によって判断が違うし、わざと手加減してプレイしなければならないので好きではない。というかこういうローカルルールみたいなものが認知されると、格闘ゲームなどでもそうだが自分の負けを相手のプレイスタイルのせいにする輩が出始めるので対戦の質を下げてしまう危険性があるのだ。
たしかに復活地点の通路に幻覚剤を執拗にばら撒いたりすると回避不能なのでバランス的に問題があり、これをある程度自主的に規制することは必要だと思う。しかし先のリモコン爆弾による待ち伏せなどはある程度戦術として使う必要があるし、どこまでやるのが反則と言えるのかが非常に微妙な問題でもある。

●その他
TFCは元々ゲームブラウザからネット接続するタイプだったのだが、現在ではほぼSteamへの移行が完了している。Steamヴァージョンではキャラクターの新グラフィックが選べる上に(選択可能)、エンジニアの作るワープゲートといった新要素が追加されている。激しい戦闘が行われるのでややわかりにくいが、近づいてじっくり観察すると旧ヴァージョンのグラフィックから大きく進化していることが分かるだろう。ただしSteamそのものを起動させながらプレイする必要があるので、Counter-Strikeなどと同じく動作環境が従来のものよりかなり上がってしまっている(それでも相当軽い部類だが)。
サウンドはHLのMODということで、HL本編やCSなどで聞き覚えのあるものが多い。爆発音などはなかなか良くできていると言えるだろう。またEAXにも対応しており、これもHL同様の素晴らしいものとなっているので、是非EAX対応のサウンドカードで聞いてもらいたい。
このゲームは満足に楽しむために16人以上は欲しいところなのだが、現在でも世界的に根強い人気を誇っており、日本でも深夜には未だに人が集まる。そのため今後もしばらくの間はプレイヤー不足に悩まされる心配はなさそうだ(続編もずーーーーっと頓挫しているし)。また人数合わせにBotを大量に入れて動かしているサーバーもあるため、ネット対戦専用ながら初心者も対戦相手に困らないのが嬉しい。
●総評
私が最初に手を出した対戦型のPCゲームはQuake3だったが、Bot対戦を抜け初めてネット対戦に熱中したのがこのTFCだった。古いゲームではあるが、グラフィックの古臭さなど微塵も感じさせない秀逸なゲーム内容である。最近のゲーマーの認知度は低いかもしれないが、他の有名対戦型ゲームと並び中毒性の高い特A級マルチプレイタイトルであると言えよう。そして何より素晴らしいのが、これが無料のMODであるという点だ。元々は2000年より前のゲームなので動作環境も低く、つまりガラクタでも動くのである。HLを持っていて少しでもTFCに興味を持った人には、今すぐダウンロードして遊んでみることを勧める。
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*:現在TFCを遊ぶには要Steam
Team Fortress Classic and Half-Life are trademarks or registered trademarks of Valve Corporation in the United States and/or other countries. (C) 1999-2003 Valve Corporation.