内容はいいが、続編ではなく拡張版
Star Wars Battlefront 2 【スターウォーズ バトルフロント2】 レビュー

プレイ時間:マルチプレイを30時間くらい
注:前作はPS2でプレイしたが今作はPCでプレイしているため、前作との比較に変な点があるかもしれないことは容赦してもらいたい。またこれは主にオンライン対戦についてのレビューである。
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【基本事項】

プラットフォーム:PC,PS2,XBOX(XBOXは海外版のみ)
ジャンル:FPS

発売日:2005.11.01
製作:Pandemic Studios
販売:Lucas Arts

備考:
EAより、PS2で完全日本語版発売中

体験版:
なし


【前置き】

スターウォーズバトルフロント(以下SWBF)は「ジェダイなどのヒーローではなく、SW世界の一般兵を主役とする」のをコンセプトに作られたゲームで、プレイヤーは反乱軍や帝国、共和国などに所属する一般兵として戦場に駆り出される。兵士の種類はソルジャー、バズーカ兵、スナイパー、技術兵、その他ウーキーやドロイディカなどのものがそろい、最大64人という人数が広大なフィールドで自由に戦えるのが特徴だ。兵士とは駒なので、非常によく死ぬかわり、すぐに復活できるように設定されている。マップ中にはビークルもあり、それに乗って敵を蹴散らせるのも魅力だ。

前作はSWファンには広く支持されながらも、全体的な盛り上がりはちょっと足りないという感じだった。しかしながら売り上げはそれなりによかったらしく、前作の発売から間もなく続編の開発を発表、そして1年と1ヶ月半という非常に短いスパンでこの続編の発売となった。


【ジェダイ/シス】

本作にはいくつもの新システムが導入されているが、その中で最も注目されたのがジェダイ(ヒーロー)の導入である(ジェダイとシスは同質なので、ここでは両者をジェダイと呼ぶ)。ジェダイを使用できるのは各勢力一人だけで、使用できるようになる条件はゲームを開始したものが設定できる(一番敵を殺した者、一番殺された者、ランダムで選ばれた者のどれか)。戦闘中にプレイヤーの誰かが条件を満たすと下に「あなたは○○になることができる」と表示され、それを承諾するとその勢力・マップに合ったジェダイになることができる。例えば帝国側で舞台が惑星ホスならダース・ベイダー、デス・スターなら皇帝といった感じだ。ジェダイが死亡すると、復活時間が経過した後に再度条件を満たした者が使えるようになる。

この各勢力が一人ずつしか使えないという制限を聞いて分かるとおり、ジェダイは映画さながらのとんでもない強さを備えている。例えば敵が普通のクローン・トルーパーを選んでいて、こちらはドゥークー伯爵だとする。クローン・トルーパーがいくら懸命にブラスターを連射しても、ドゥークーが恐ろしい速さで突っ込んでいき、ライトセーバーを一振りか二振りすればそれで終わりだ。プレイヤーの腕云々の前に、ユニットの能力に決定的な違いがあるのである。ジェダイは例え対人戦であっても、上手く立ち回れば2桁のキル数を簡単に稼ぐことが出来る。1チーム1ジェダイなので使える機会は多くないが、使っている間は楽しくてしょうがない。普段駒としてガンガン死んでしまう分、ジェダイとして今まで自分を苦戦させてきた敵をガンガン斬れるのは快感であり、ジェダイの投入は成功といっていいだろう。

ジェダイの能力は固体によって差があるが、基本的な部分は大体同じである。ヘルスは時間と共にジリジリ減ってしまうが攻撃を受けすぎなければ長時間活動でき、敵を倒すごとにヘルス(制限時間)を回復することができる。つまりアグレッシブに、敵の攻撃をなるべく受けず倒していけば、相当な時間ジェダイでいることができるのである。武器はライトセーバーがメインで、サブにフォースの能力を2つまで備えている。例えばオビ・ワンならライトセーバーを投げたり、敵を吹き飛ばしたり、皇帝なら電撃や遠隔首絞めといった感じだ。体力ゲージを消費することにより凄まじいスピードでのダッシュや、とてつもなく高いジャンプ、フォースを使うことができ、体力は時間と共に回復する。攻撃力も非常に高く、普通の敵は1,2回斬れば死んでしまう。

非常に面白い要素であるジェダイの導入だが、その強さゆえ大きな欠点も持っている。具体的には強い人間がちゃんと使ってくれれば頼もしいが、下手な人間が使うとあまり殺してくれなかったり、すぐ死んでしまったりで、ジェダイが再び使えるようになるまでの間、敵側のジェダイに好き放題されてしまう。ビークルと同じで単体の強さがずば抜けているので、やられる側は一方的に斬られる。マップの性質によって強いジェダイとあまり強くないジェダイがあり、そういったマップでも公平でなくなる…など。ジェダイの参入による問題点は、巨大過ぎる力を一人の人間に託すことになるので、ゲームのバランスを崩しやすいという点に集約される。力を授かった人間は、竜か虎か。

ヒーローはジェダイだけでなく、ボバ・フェットやレイア姫が登場するマップも少数あるのだが、フェットはまだいいとして、レイア姫など悲惨である。一般兵に毛が生えた程度のレイア姫で、最強の皇帝に立ち向かわなければならないのだ!!これなどは製作者のバランス感覚を疑う。


【ユニット】

基本ユニットは全くと言っていいほど変化がないが、固有ユニットが各勢力一つずつ増えている。追加されたユニットは、反乱はボサン、帝国は将校、共和国はコマンダー、連合はマグナガードである。それぞれ固有のユニークな武器を装備し、例えばスパイであるボサンは姿を少しの間半透明にして敵のコマンドポストに近づいたりすることができる。また固有ユニットの中には指揮官タイプのものもいて(帝国将校など)、それらは1回だけ使える特殊能力を発動させることにより、周囲にいるユニットの能力を向上させることができる。

固有ユニットは全体的に能力が高く、増幅能力があることからも基本ユニットより性能が高めと言えるが、今回は固有ユニットを開始直後から使用することはできず、それぞれ8人、12人の敵を倒してからでないと選択できない。また各固有ユニットは4体ずつまでしかマップに存在できないという制限がついているが、別に固有ユニットが特別人気というわけではないのであまり制限には引っかからないだろう。これらはユニットの強さを再現し、差別化をはかるという点では成功しているが、反面自由度が損なわれたのも事実である。私としては、やはり最初から使えればよかったのに、と思ってしまう。多少の腕があればすぐ使えるようにはなるのだが。


【ルール】

チーム戦のルールにはいくつか追加があり、これまでのドミネーションオンリーから、旗の争奪戦を繰り広げるCTF(キャプチャー・ザ・フラッグ)、狩り側と狩られる側に分かれてのハント、ひたすら戦い続けるアサルトが追加された。CTFはPCのFPSでは非常にメジャーな種目で、敵地(あるいは中央)にある旗を味方と連携して奪い取り、指定された場所まで運ぶというもの。ゲーム終了時までに多くの旗を奪ったチーム、あるいは規定の回数旗を届けたチームが勝利になる。CTFでは旗という一つのものをめぐって争うため、通常の戦闘よりも戦力がさらに一点集中するので、白熱の戦闘が楽しめる。また一人で旗を奪取し持ち帰ることは大変困難(というかジェダイ以外は無理)なので、味方との連携もかなり重要になる。キャラが死んでもチームの損失にはほとんどならないので、初心者は囮になるだけでチームに貢献できるという点も大きい。

ハントは両陣営が決められたユニットに扮し、例えば惑星ホスでのハントなら白熊組と人間組に分かれて、先に一定数の敵を殺すことを競う。色々な設定があり、ジオノーシアンなど普段扱えないユニットを使えるのが面白い。アサルトは実はかなりの特殊ルールで、特定のマップでしか使えない。後で解説する宇宙戦のステージと、ヒーローだけが出現するモス・アイズリーだ。ヒーローオンリーモードは全員が自由にいくらでもヒーローを使えるので、気軽に遊ぶには最適といえる。マップが一つしかないのが残念だが…。

ルールの追加はゲームの単調さを解決するために不可欠であり、特にチーム戦の定番で、連携の醍醐味を存分に味わえるCTFが追加されたのは大きいと言えるだろう。ただこのゲームはその性質上、せっかく追加されたルールを上手く活かせていないのは残念な点である。具体的に言うとPC版であまりにも人数が多い(50-60人くらい)とゴチャゴチャし過ぎてCTFでも単なる殺し合いになってしまう。ジェダイの移動速度が速すぎるので、旗取りとしての能力が高すぎる、など。


【マップ】

マップは既存のものをほとんどそのまま流用したものから、新しく作られたものもある。その中で一番目新しいのは宇宙だろう。ジェダイの参入はどちらかというと新三部作のファン向けの追加内容だったが、宇宙戦の追加は旧三部作ファン向けと言える。宇宙のマップでは選べるクラスがパイロットとマリーン(ソルジャーとバズーカー兵を合わせたもの)に限定されており、ルールもアサルトとCTFに限定される(ここではアサルトの解説をする)。舞台は宇宙なので当然移動はほぼ戦闘機オンリー。最初に発進基地で復活し、目の前に並べられている戦闘機に乗り込んで出撃することになる。宇宙には敵の戦艦と自分の戦艦、そして戦闘機以外は何もなく、一定のポイントを先に稼いだ方が勝ちとなる。点数は敵の戦闘機を破壊するか、敵の戦艦の各所を破壊することで稼ぐことができ、特に戦艦の破壊は大きなポイントに繋がる。ここで凝っているのは、敵の基地に着陸して内部からシールドなどを破壊してしまえることだ。そのため運転を担当するパイロット以外にマリーンも同席させ、敵地に降り立って破壊工作をしてしまうのが有効である。一応戦闘機以外にも、基地の内部から砲台を操作することが可能であるが、あまり面白くないので操作している人間はほとんどいないのが現状。

何か話だけ聞くと面白そうで、パッケージ裏にも強調されている宇宙戦だが、実はあまり面白いとは思えない。やれることが限定的過ぎて、SWBFにある「自由度」が大きく損なわれているのだ。実際宇宙戦は単調なのである。最初は新鮮でいいのだが、他のマップに比べて飽きやすい。またマップ自体が広く、人が多くても空間はスカスカで、孤独感のようなものを感じる。内容も宇宙戦といえば聞こえはいいが、要は前作でできた空戦の地上を省いただけである。ついでに書いておくと家庭用ならともかく、最大64人が同時参加するPC版だと深刻なビークル不足で一度も発進できずに基地に取り残される者が続出している。狩りルールのハントもそうなのだが、どうもユーザー製作のMOD(*)レベルで一発ネタという気がする。

*:MODとはユーザーの作った改造データのことで、ゲームに全く新しいマップや武器・システムを追加するものである。PCゲームではこういうのが盛ん。


【苦言も交えて】

このゲームで最大の問題点は、前作とプレイ感覚が全く変わっていないことである。実際変更点というのは全て「追加要素」に過ぎず、既存のものを変更している点はほとんど皆無なのだ。これは前作からの流用マップでプレイするとよく分かる。実際私の大好きな惑星ホスで、ソルジャーを選んで、トーントーンに乗って移動して、エアスピーダーを動かして…とやっていると、これがSWBF1なのか2なのか分からなくなる。サーバー側の設定にもよるが、他人よりフラッグ(キル数)を稼げない人は、オンラインで人間相手にジェダイを使う機会はそこまで多くない。…多くのサーバーはランダムか、最多キル数の人間をジェダイにするからだ(もちろんCPU相手なら思う存分使える)。マップも新しいのが追加されたというだけで、その域を出ない。他のFPSに比べて妙に当てにくいブラスターの性能や、バランスの悪さは何も改善されていない(むしろ悪化している)。

開発期間の短さからも分かるとおり、これは続編の名を冠した拡張版である。拡張された内容そのものは素晴らしい。ジェダイや新ユニット、新マップなどは作品の寿命を延ばすもので、歓迎するべき要素だ。今もBF1を遊んでいる人は、手放しで喜べる内容といえる。ところが見栄を張って続編を謳い、値段を高くしたため、色々と不満の出る結果になってしまった。追加要素だけで新規ライセンス料を$60以上取るのはユーザーの足元を見たボッタクリである。

一つフォローしておくと、PS2版ではオンラインの最大プレイ人数が16人から24人に増えているらしい。PC版では64人から変わらないのだが、家庭用で遊ぶ人にとっては結構プラスと言えるのではないか。PC版で問題となったサーバーのラグ問題も解消されている。


【総評】

まず購入するには前作を楽しめたことが絶対条件と言えるだろう。その上で、今1を遊んでも楽しめるほど気に入っている人は、少々割高になるものの、これを買って間違いはない。存分に楽しんでもらいたい。逆にもう遊び飽きてしまった人がプレイすれば、今作もすぐに飽きる。もう一度繰り返すが、続編としてではなく拡張版として見れば素晴らしい出来なのである。未プレイの人は1の情報を色々漁ってみて、それで面白そうだと思えるなら、2を買ってみるといい。


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