主にオンライン対戦についてのレビューである。
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プラットフォーム:PC,PS2,XBOX
ジャンル:FPS
発売日:2004.09.20
製作:Pandemic Studios
販売:Lucas Arts
備考:
EAよりPC,PS2,XBOXで完全日本語版発売中
体験版:
なし
スターウォーズといえば古くはAC,DOS時代から、覚え切れないくらい沢山のゲームが出ているキャラゲーの定番である。私も全てを知っているわけではないが、最古のものはアーケードで80年台前半に出た、線で結んだだけのデス・スターが出現するようなゲームだったと思う。まあとにかくSWのゲーム歴は長く、当然様々な内容のものがでた。お決まりのスターファイターを操縦するものから、ジェダイを育成するもの、ジャンゴ・フェットになるものなど…。FPSとしては95年にDOSで「Dark
Forces」という作品も出ている(これは日本語版もある)。
さて、そんなSWのゲーム史の中で、まだ挑戦されていなかった分野があった。それがこの作品のテーマである「戦場の最前線(バトルフロント)で戦う兵士になる」という分野だ。本作では映画の中でもゲームの中でも、今までやられ役として登場してきた一兵士たちを主役としている。それぞれのプレイヤーがSWに出てきた一般兵として参戦し、広大なフィールドで戦闘を繰り広げるのだ。PCでは64人、XBOXでは24人、PS2では16人のオンライン対戦をサポートし、オフラインモードも搭載している。
簡単に言うとクラス性のドミネーション方式なのだが、家庭用のユーザーには分かりにくいと思うので解説しよう。まずプレイヤーは二つの勢力から自分の所属したい勢力を選択する。対立している勢力は反乱vs帝国や通商vs共和国といったもので、反乱vs共和国のように時代や関係を無視した対戦をすることはできない。勢力を決定するとクラス(職業)を選択する画面に移り、基本職として次のものが用意されている。
それぞれの職業は基本能力こそ同じものの装備が全く違い、それによって役割も必然的に変わるようになっている。例えばソルジャーはブラスターライフルがあるのでガンガン撃ち合えるが、スナイパーは近距離用の武器がブラスター・ピストルしかなく、まともに接近戦ができない。しかし逆にスナイパーはスコープ付きのライフルを持っているので、遠距離からひっそりと敵を狙い撃ちにすることができる。勢力ごとにそれぞれの職業の容姿は全く異なっている(ソルジャーは反乱なら一般兵、帝国ならストーム・トルーパーなど)ものの、能力的には大差なく、どちらの軍を選んでも同じような感覚でプレイできるようになっている。また各勢力は一つずつ固有のクラスを持っていて、通商連合ならドロイディカ、反乱ならウーキーといったようにそれぞれ独自の能力を備えている。なおクラスは死ぬたびに何度でも変更することができる。
戦場では各人が選んだ職業が一つの戦場に集まり、大規模な戦闘を繰り広げることになる。攻撃を受けるとキャラクターは割と簡単に死んでしまうが、比較的短時間で何度でも復活することが可能である。勢力ゲージというものがあり、味方が死んだり陣地を占領されるとこのゲージが減ってしまい、相手のゲージを先に0にした方が勝利となる。
ゲームが始まると、プレイヤーたちはスターウォーズの世界に放り出される。例えば舞台が惑星ホスで反乱軍側の場合、発進基地にはところ狭しとエア・スピーダーが並べられていて、どんなクラスの人間でもそれらに自由に乗り込んでよい。ビークルに乗って惑星ホスに飛び出すと一面の銀世界で、とても歩いては移動しきれないほどの広大なフィールドに、最大数十人のプレイヤーがワラワラと集まり、塹壕に隠れたり砲台を使いながら大規模な戦闘を繰り広げる。ある者は銃を乱射して弾切れを嘆き、ある者はスナイパーライフルで敵を狙撃し、またある者はグレネードで吹き飛ぶ。またトーントーンに乗って優雅に戦場を駆け抜ける者もいるかもしれない。航空機に乗った君はそういった戦場を眺めながら、歩兵達を無残にもなぎ倒していくAT-PTなどの巨大なビークルに立ち向かうことになる(別に歩兵を狙い撃ちしてもいいが)。
オンラインなら敵のビークルも当然人間が操縦しているから、砲撃を避けながら慎重に接近しなければならない。ビークルのメイン操縦席に乗っている場合は主砲で攻撃することができるが、副操縦席で一緒に飛行している副機長がいる場合は、その仲間が副砲を担当してくれる。例えばエア・スピーダーに乗っている場合は背部から太いロープを取り出して、AT-ATの足に巻きつけることができる。そのままメインパイロットの君が敵の周囲をグルグル回るとしまいにはAT-ATの足が絡まってしまい、巨大な機体を沈めてしまう。と、ゲーム中にはこのようなSWファンが喜ぶ演出や仕掛けが随所に用意されている。またビークルの挙動も本物っぽく…といっても本物など乗ったことはないが(当たり前だ)、AT-PTのガシャガシャ歩く感触などは傑作である。
もちろんビークルに乗らないことも多く、むしろ乗り物は数が限られているのでメインは歩兵ということになる。その場合はエンドアの広大な森をジリジリとほふく前進したり、前線に思いっきり突っ込んで花と散ったり、スナイパーになって待ち伏せしたり、エンジニアとしてメカの修理に走り回ったりと、自分の考えで勝利のために働くことになる。このゲームでは最後に各プレイヤーの戦果が報告されるが、キル数などには大した意味はない。歩兵には歩兵の、スナイパーにはスナイパーの、パイロットにはパイロットの、それぞれ適した役割があるからだ。前線を務める者が多く死ぬのは当たり前であり、背後から敵を狙撃しているスナイパーの点数が高いのは当たり前。点数は単なる結果報告であり、それぞれの役割を終えた戦士達に上下などない。
陸戦が中心だが、マップによっては空戦も発生する。映画でお馴染みのスターファイターに乗って、敵の航空機を蜂の巣にするのは面白い。逆に敵に後ろにつかれると大ピンチになるので、旋回したり曲芸飛行をして敵を振り切らなければならない。操作のシミュレーションを除けば本当の空戦のようである。またビークルはどちらの軍の所有物かに関わらず奪って乗ってしまうことができる。私の実体験だがAT-PTの足元の死角に張り付き、敵の兵士が陣地占領のために降りたところを乗っ取って、降りた兵士を倒したときは爽快だった。敵にビークルを鹵獲されることを防ぐには、山の上に置いたり森に隠して放棄しなければならないのだ。これは実際の戦場そのものである。ただマップに関して少しケチをつけさせてもらうと、もう少し壁として利用できる障害物や塹壕などが設置されていても良かったと思う。少々平坦な場所が多すぎて実際の戦場のような環境利用と、それによる熱い建物の奪い合いというのがほとんどないのだ。
戦場では理不尽なことも多い。戦線に突然敵のビークルが出現して一蹴されてしまったり、敵の集中砲火にあって殺されたり、敵の仕掛けた地雷を踏んで吹き飛んでしまうこともある。そしてそういった理不尽な死は現実の戦争では当たり前のことであり、一生懸命訓練しても移動中に攻撃されて何もできずに死ぬ事だってあるのだ。初心者であろうと上級者であろうとどうしようもない、死ぬことが決定付けられるような場面は多数あり、逆に一人の人間が映画や他のゲームのように戦局を一変させることはほとんどない。兵士とはあくまで「駒」であり、一人の人間が圧倒的な戦火を残すことなど最初から期待されていないのだ。しかしそのような駒としての体験をすることこそが「戦場の一兵士になること」であり、つまりはスターウォーズに登場する名もなき兵士達のシミュレートなのである。
このように、このゲームはスターウォーズ・ゲームとしては極めて優秀で楽しめる内容なのだが、残念な部分も多く含んでいる。まず第一にFPSとしての部分が荒過ぎる。照準の大きさは歩いていようと走っていようと完全に固定なのだが、このゲームは全ての武器に発射から着弾までのタイムラグがあるので、狙って敵に当てることが難しい。相手の動きを常に先読みして攻撃しなければならないので、よほど至近距離でないとヘッドショットを意図して狙えない(スナイパーライフルは別)。
生身ではビークルに歯が立たないのは良い面も悪い面も備えている。ビークルが普通の人間にあっさりやられてしまっては拍子抜けだが、いくらプレイヤーが上手くてもビークルに狙われると勝てず、一瞬で吹き飛ばされてしまうので、これが立て続けに発生してしまうのもなかなかストレスがたまる。特に復活地点に居座られると10人、20人という規模であっという間に蹴散らされてしまう。ビークルが両軍に均等に配置されているのだったら、味方ビークルが自分の分まで活躍してくれるので別にいいのだが、マップによっては片方にしか配置されておらず、敵のビークルを奪取するまでは一方的に攻撃されることも少なくない。また本来ビークルというのは軍共通の財産であり、別にビークルに乗ってフラッグを稼いだ人間が偉いとかそういうことは全くない(ビークルを操縦するものにはそれ相応の戦果が求められる)のだが、自己中心的なプレイヤーがビークルの奪い合いをしてしまうのはとても悲しいことだ。戦闘機つきの地上戦では一度制空権を握られてしまうと、延々と爆撃を受ける可能性があるのも欠点。
敵AIにも問題あり。このゲームは最大64人をサポートしているが家庭用ではそこまで大人数のオンライン対戦ができないので、余りの席はコンピューターが担当することになる。しかしこのボット、陣地付近では突っ立って攻撃するだけ、移動時はまっすぐ突っ込んで攻撃するだけと、あまりにも脳がない。しかも移動が遅く、照準を動かさずに連射しても全弾食らってしまうのだ。難易度を上げると強くなるが、それはCPU得意のAuto
Aimが働いているだけで、賢くなったという印象は受けない。もちろんこれは大人数のCPUを同時に動かさねばならず(しかもオンラインで)、さらにPS2をメインの動作基準にしなければならないことから仕方がないことなのだが、それにしても役にたたなすぎる。一応簡単な命令を出してついてこさせることはできるので、壁として使うことはできるのだが。
結論として、このゲームは競技としてFPSを楽しむという方向性はほとんどなく、戦場を再現すること、スターウォーズの世界を再現することに全力を注いでいるといえる。マップによってビークルの少ない軍が不利になるのは明らかである。ただ多くのFPSは競技性が高い代わりに初心者が入りにくく、閉鎖的な世界になりがちなのに対し、このゲームは珍しく反対の方向性を持っている。そのため初心者でも気軽に参戦でき、仲間と一緒に進軍するだけで楽しめるのは良い。ただし目の肥えたFPSゲーマーがシューティング部分を期待して買うと不作、もしくは凶作となる。
さすがにスターウォーズのゲームとだけあって、ビジュアルには相当の拘りが見られる。キャラクターの外見はまさに映画の中のトルーパーそのもので、造形は非常に細かく、リアルである。2004年末のPCゲームとしては当たり前に見えるグラフィックだが、これをPS2でもほぼ同質に再現しているのだから凄い。よくPS2でここまで美麗なグラフィックにしたものである。それでもPS2版だと全体的にぼやけてしまい、クオリティは落ちてしまっているのだが、それを差し引いても素晴らしい映像といえるだろう。
もう今更SWゲームのサウンドについて書くのも気が引けるのだが、やはり素晴らしい。BGMはもちろん映画で聴けるスターウォーズの音楽だし、ブラスターの発射音やトルーパーの叫び声も映画そのままだ。もうこれについては聴き慣れた人も多いと思うので書くことは少ないが、安心して楽しめる良質の音楽と言えよう。
一応シングルモードやシナリオモードもついているが、これは基本的にコンピューターを入れて遊ぶフリー対戦モードと思ってもらいたい。マップはホス、エンドア、ナブー、ジオノーシス、ベスピンなど、EP1-2,EP4-6の主要な戦場はほとんど収録されていて、それぞれのマップごとに異なったビークルが登場する。またヒーローとしてコンピューターの操るジェダイを各軍に一人参戦させることもでき、ジェダイはブラスターは全て弾く上どんな攻撃を受けてもビクともしない半無敵キャラクターとなっている(一応轢き殺したり爆風で空から落とすことはできる)。そのためジェダイがどこにくるかで勢力のバランスが変わってしまうこともあり、ジェダイに狙われたものは必至で逃げなければならない。
最後に付け加えておくと、実はこのゲームはFPS(一人称視点シューティング)として遊ぶ必要はなく、むしろTPS(3人称視点)で遊んだほうがいいくらいである。なぜならどうせ造りは荒いので、それならば後方視点にして兵士のビジュアルを楽しんだほうが面白いと思うからだ(少なくとも私は)。
Star Warsファンがキャラゲーとして買う分にはかなりの良作という印象を受ける。雰囲気や再現度は今までにないレベルだ。戦場での自由度が高く、バランスに難があるもののゲームとしても悪くはない。逆にFPSファンがBattle
Fieldみたいなのを期待して買うと厳しいだろう。とにかくブラスター全般が当てにくく、ビークルはやたら強いしで撃ち合いを楽しむことができない。
しかしこのゲームは、FPSの入門作品としてはあえてオススメしておく。なぜなら上級者と初心者の差が少なく、誰でも楽しめる上、SWというとっつきやすさまであるからだ。FPSとはどんなゲームか、大雑把に知るには最適な作品といえよう。
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