Last Update: 2007.12.22 / First Edition: 2007.12.22
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●前半は自由度の高さが光る
Project IGIはTerra Nova, Delta Forceなどの流れを汲む「広大なフィールドで戦うステルス/タクティカルシュ−ター」である。プレイヤーはミッションごとに果てしなく広大な大地に放り込まれ、目前に佇む敵地を見ながらどのように潜入して戦うかを考える。開発はInnerloop
Studiosで、DFと同じくフライトシムエンジン(Joint Strike Forceのやつ)を流用して製作しているため、マップの広大さは文字通り桁が違う。発売前はEidosが発売する期待の新作ということでかなり注目を集めていた作品でもある。
前半部分のミッションは良く作りこまれているものが多い。目的達成までのルートが複数用意されており、静かに暗殺しながら進む、なるべく見つからないように進む、遠くから狙撃で削っていく、などプレイヤーによって攻略法が変わってくる。高性能なスコープと敵地を偵察できるPDAを常時使うことができ、敵地の外から偵察をしながら敵を狙撃していくのはDelta
Forceのような面白さがある。敵地内部では工作活動によってセキュリティを一定時間だけ落とすことなどができ、最短ルートを通るか、寄り道をして楽をするか、といったことを考える楽しさもある。
AIは足音に気づかない、死体を見ても気づかないなどThiefやHitmanに比べてレベルが低いが、IGIはShooter寄りのステルスゲームなので適度な馬鹿さ加減かなとは思う。敵は音にそれほど敏感ではないので、AKなどの銃声が大きい武器を使うのにそれほど神経質になる必要はなく、FPSの爽快感とステルスの面白さを両立できている。敵は馬鹿な分だけ大量に配置されており、バランス的にも悪くない。また監視カメラだけは何故かかなり賢く、死体に反応してアラームを鳴らす上に、プレイヤーを見つけても超反応せずに侵入者かどうか見極めようとする(その間に隠れれば発見されない)。このゲームでは敵兵よりもむしろ監視カメラの攻略が鍵を握る場合が多い。
良質なミッションに限定すれば、Project IGIはFPSの面白さとステルスの自由度を兼ね備えた面白いゲームと言える。

●変なところ
敵が空間に突然スポーンするのはかなり不自然だ。それも何でもない普通の敵が突然復活したりするし、復活しない敵もいるので、混乱させられる。アラームが鳴ってしまうと敵が沸きまくることもあり、ミッションによっては鳴らした瞬間終わりなものも多い。またマップは無駄に広いだけな感が強く、単に背景が美しく見えるだけでゲーム性にほとんど影響を及ぼさない。このゲームをプレイしたときは、誰もがその広大さを活かした潜入方法を考えると思うが、実際には普通のFPSと同じように1つか2つの入口からしか潜入できない。実際に戦場となる箇所以外は、観賞用の「歩ける背景」に過ぎないのだ。これは非常に勿体無い話だ。

●糞過ぎる後半部分
ミッションは後半になるにつれて難易度が上昇するが、同時にルートが限定的で外れると即死なものが増え、加速的につまらなくなる。上記の褒めた部分は前半部分のバランスの良いミッションに限定した話であり、後半にそういう自由度はほとんどない。このレベルデザイン品質の大きなバラつきがIGI最大の欠点と言える。
後半は屋内戦も増えてくるが、典型的な「何も考えずに敵を大量配置しただけ」というデザインで素人以下の内容である。屋内戦は基本的に、ひたすら曲がり角での出会い頭のヘッドショットに命を賭けることになる。演出はスイッチを押すと後方から敵が出現するとかの繰り返しでスクリプトだらけ。最大の問題点はセーブ不可な上に銃撃戦が非常にシビアなことで、出会い頭の一撃をミスると相手が超反応で反撃してきて体力を大幅に削られてしまい、2,3回ミスするとゲームオーバーになる。
後半のミッションをクリアするためには、ここの扉を開けたら机の裏に照準を合わせてヘッドショット、スイッチを押してから背後を振り向いて敵を待ち伏せする、といった部分までガチガチにパターン化しなければならず、アドリブ要素はほぼない。これは当然バランスが悪いという意味で、ルートが一本道な上に行動まで一本道にしなければならない、という悪い意味でのパターンゲーになってしまっている。またセーブ不可という仕様は、このような状況下では決まりきったパターンを機械的に反復させる拷問にしかなっていない。最終ミッションなど最悪で、ひたすらAIの穴を突いて敵をハメ殺さなければクリアできないというファミコン時代のようなバランスの取り方をしている。ここまでくると「適度に馬鹿なAI」は「単なる馬鹿」に成り下がりストレス以外感じなくなる。
それとエンディングがいくらなんでもカッコ悪すぎる。これだけ理不尽な最終ミッションをクリアした挙句にあんなものを見せられると泣きたくなる。

●グラフィックは使い回しが目立つ
さすがに屋外の描写は美しい。特に雪景色などはうっとりしてしまうほど綺麗で、7年経った現在でも十分鑑賞に堪える。ただ距離に応じてテクスチャを張り替えているのか、歩き回っていると明らかに地形がうねるのは仕方ないところだろう。また銃を撃った感触は非常に良い。発射音やリコイルは銃ごとに大きく違い、AKなら威力が高くリコイルも大きいが、MP5SDは音が小さくリコイルも小さい。ただ命中率はどの銃も非常に高く、バランスに関しては完全にゲーム的になっている。
建物の外見や内部は、後半に進むにつれて使い回しが目立つようになる。兵舎はいつも同じ四角い箱だし、建物の内部のパターンも数えるほどしかない。テクスチャやオブジェクトを使い回すのは当たり前だが、このゲームでは建物の構造ごと使い回しているのだ。そのため初めて入る建物でも、入った瞬間に構造が分かってしまう。別にグラフィックがショボいのは構わないがこれはゲンナリだ。ボスキャラと雑魚に同じボイスが使われているのも違和感を感じる(女なのに)。
●総評
このゲームは本当に作りかけという印象が強い。一部のミッションに限定すればかなり面白いが、つまらないミッションはとことんつまらなく、同時期に同じEidosから発売された初代Hitmanと似たような欠点を持ってしまっている。クリアを目指すなら相応の不快感も受けることを覚悟するべきだろう。一度クリアした後は好きなミッションだけリプレイできるのが救い。
Demo版 4gamer.net/Gamer's Hell/3D Gamers
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●動作環境
| 必要動作環境 | 推奨動作環境 | |
| OS | Windows 95/98/ME/XP | - |
| CPU | Pentium2 300MHz | Pentium3 or AMD Athlon |
| RAM | 64 MB | 128 MB |
| VRAM | 8 MB | 16 MB |
| HDD | 500 MB | - |
発売時期を考えると若干重めで快適な動作にはPentium3 500MHzくらいあったほうがいいらしい。ただこれに関しては現在は問題にならないだろう。Windows XPでも大体問題なく動作し、ゲーム終了時にエラーを吐くが実害はない。Nvidia Detonator/Forceware 23.11付近ではHUDや照準が表示されないというトラブルがあり当時問題になったのだが、最近のドライバでは修正されている。
●入手状況
完全日本語版が発売されていたが現在ではあまり見かけない。ただ現在でもSoldout
Softwareから廉価版が発売されているし、中古市場でもそこそこ出回っているので、入手難易度は低い部類に入る。ストーリーはあるがそんな力の入ったものではないので、英語版でも問題ないように思える。ミッション中の会話は英語だと文字が細かいし少し分かり難いかもしれないが、いつでも目標を確認できるので何とかなるはず。
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