Last Update: 2007.10.11 / First Edition: 2007.10.10
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●概要
無料で公開されているため日本でもかなりの人気を誇る Wolfenstein: Enemy Territoryの続編。今作では世界観を、同じid
Softwareの看板タイトルである Quakeシリーズに移している。ストーリー設定はQuake2よりも以前で、地球に初めてStroggがやってきたときの人類との攻防を描いている。プレイヤーはGDF(人類)かStrogg(エイリアン)のどちらかの部隊に所属し戦うことになり、Soldier,
Medic, Engineerなど5種類のクラスを選択することができ、所属する種族によっても能力が大きく異なる。
●スピード感溢れるオープンフィールド型FPS
最初に概要を聞いたときはBF系のゲームかと思って放置する予定だったのだが、購入してみると予想外の面白さだった。Battlefieldシリーズをプレイしていて不満に思うことは何だろうか。広大なのはいいが広すぎて密度の薄いマップ、スピード感の欠如、ビークルによる一方的な殺戮などだ。ETQWは初代ETの魅力を引き継ぎつつ、BFの持つ魅力を抜き出して上手く融合したタイトルである。
- フィールドの広さと戦闘密度
戦場は広くなることよって戦闘地域が拡散し、結果として一つ一つの箇所での密度が薄くなり、数十人でプレイしているはずなのに自分の周囲にはほとんど人気がない、ということがこの手のゲームでは問題になる。ところがETQWは常に達成すべき目的は1つ(敵に橋を作らせるな、或いは橋を作れなど)のため、必然的に一箇所に全プレイヤーが集中することになり、8vs8くらいでも大規模な戦闘を楽しむことができる。これは感覚的に、BFの全プレイヤーが一箇所の拠点を争奪している状態に近い。戦闘は一箇所に集中しても地形自体は広く進行ルートは多いため、広いマップを存分に活かして様々な方向から攻めることができる。戦場は攻防の結果によって徐々に移動していくので、ずっと同じ場所で戦闘するわけでもない。
- 無限ラン
ETQWに体力の概念はなく、無限に走り続けることができるため、5秒もあれば戦場に辿り着くことができる。そのため復活した後の退屈な移動にうんざりさせられたり、移動用ビークルを無駄に奪い合うことがない。通常の移動速度自体も速めで、戦闘をしていてもそれなりにスピード感がある。これはかなり大きなポイント。
- 銃撃感
ヒットするとQuakeシリーズ伝統のピポピポ音がするので当たっているかどうかは簡単に分かり、それなりに撃っている感じがする。
- ビークルと歩兵のバランス
ビークルは足が速い、攻撃力が高い、硬いと三拍子揃った兵器だが、Engineerの設置する砲台に対してかなり弱い。また、歩兵のアサルトライフルやグレネードによってもそれなりのダメージを与えることができる。そのため適当に突っ込むだけだと瞬く間にスクラップになる。一方歩兵は砲台に対して強いため、歩兵・ビークル・砲台の3竦みが成立しており、戦場を選ばないとビークルは弱い。目的の達成は歩兵でないと行えないし、屋内戦になればビークルはほとんど役に立たない。そのため一方的に殺戮されている感は大分薄れており、歩兵を軸にした銃撃戦を楽しむことができる。
- 激しい屋内戦
ETQWはマップによって攻撃側と守備側が完全に分かれているが、攻撃側が上手くシールドジェネレーターなどを破壊する段階まで行くと、最終的に敵陣に突入しての屋内戦が繰り広げられる。建物の内部にはいくつもの侵入ルートが用意されており、さらにキャットウォークなどを利用して広い空間を上下に陣取ることができるので、四方八方から銃弾が飛び交う立体的な戦闘が楽しめる。攻防の結果によって屋外戦から屋内戦へとスムースに移行していくので、同じマップでもメリハリのある戦闘が繰り広げられる。
このようにBFをプレイしていて不満に思っていた部分の多くが改善されたため、広大な戦場を舞台にしつつも常に緊張感溢れる激しい戦いが繰り広げられるようになっている。戦場が一箇所に固定されるので遠く離れた場所は実質的に無意味となり、少数の人間で密かに後方拠点を確保するような戦略性は失われたが、全体的にかなり満足のいくバランスの取り方をしている。

●クラスシステム
選択できるクラスはSoldier, Medic, Engineer, Field Ops, Covert Opsの5種類。Engineerは防御用砲台を設置して陣地を守り、Covert
Opsは敵に変装して潜入工作といった風に、各クラスごとに特殊能力を持っている。これはETやTFでやってきたことと大差ない。ただしETQWは最大参加人数がデフォルトで24人までとなっているため、1人あたりの能力は強化されており、果たすべき役割と責任は大きくなっている。24人参加ということは各陣営は最大でも12人しかいないため、自軍に戦略的価値のない場所で戦い続ける遊兵、あるいは仕事を果たさないサボリ人(Engなのに砲台設置しないとか)が2,3人いるだけでかなり苦しい。
マップの進行状況によって目的達成のために必要なクラスは変わる(爆破ならSol,
ハッキングならCov)ため、チーム内のクラス配分は常に流動的になる。前述した通りチーム人数がそれほど多くなく、必要性の低いクラスに偏るとバランスが崩れてしまうため、頻繁に編成を確認して全体のバランスを取る必要がある。結果としてETQWはAimなどの戦闘能力はさほど問われないが、勝つためには1人1人に柔軟性が求められる、チーム性重視のタクティカルなゲームになっている。

●GDFとStrogg
この2陣営は同じクラスに属していても、能力が色々と異なる。例えばStrogg版のMedicであるTechnicianは、GDFにはない「敵の死体を味方の復活地点にする能力」がある。Stroggはこれを活かして味方のサイクル効率を高め、断続的なラッシュでGDFの防御を打ち崩す(あるいは戦線を維持する)ことが重要になる。逆にGDF側のMedicは補給物資を投下する能力を備えており、味方に弾薬を補給することができる、といった具合。
特殊能力以外にも、そもそも装備が根本的に違うのでリロードタイミングなどが異なるし、各陣地に配備されているビークルにも同じものはない。同じマップでもどちらの陣営に所属するかで全く展開が異なるので、実質的に用意されている12マップの倍くらいのボリュームがある。これまた面白い。
●グラフィック、演出
D3 Engineを元に、John Carmackの考案したMegaTextureによって広大なフィールドを描画し、シームレスに移動することができる。空間の広さはBattlefieldに引けを取らず、離れた場所に見える茂みや木まで描画するため、移動するに連れて徐々にオブジェクトが見えてくるという不自然さがほとんど感じられない。それでいてクオリティの割にそれほど重くなく、一昔前のPCでもそれなりに動く、という驚異的な軽さ。
実際にQuakeの世界に飛び込んだかのように錯覚させる演出も良い。Field Opsのプレイヤーは自分の設置した砲台に砲撃要請をして遠隔地を爆撃できるため、数人いるだけで上空には彼らの飛ばしたエネルギー弾が乱れ飛び、他にも戦闘機とホーミングミサイルが飛び交う様子が遠くからも確認できたりする。そのため空も陸もかなり賑やかになり、最終戦争的な雰囲気が出ている。こういったゲーム中の演出がそのまま世界観の演出になっているのは上手い。

●総評
ET, BF, Quakeなどの人気作品を良いとこ取りして上手くまとめた良作。やっていること自体は既存のFPSと大差ないが、問題点を上手く解決してミックスさせている本作は、ETファンのみならずBF嫌いの人も試してみる価値のある作品と言える。
Demo版 4gamer.net/File Front/Gamers Hell/3D Gamers
ETQWを購入 Amazon/Play-Asia(限定版)/GDEX
ゲームを快適に動かせるPCを探しているならG-Tuneあたりを参照
●動作環境
| 必要動作環境 | 推奨動作環境 | |
| OS | Windows XP/Vista | - |
| CPU | Pentium4 2.8GHz, Athlon XP 2800+ | - |
| RAM | 512 MB (768 MB for Vista) | - |
| VRAM | 128 MB以上 | - |
| HDD | 5.7 GB | - |
クオリティを考えると非常に軽い作りになっている。Low設定にすればかなり幅広いマシンでまともな対戦ができるだろう。Core 2 Duo E6850, RAM 2GB, Geforce8800GTSあたりならHigh設定でも60fpsをキープできるという報告もある。ビデオカードはGeforce 5700 (5700LEと5700VEは含まない)以上、Radeon 9700以上をサポートしている。またクアッドコアCPUにも対応している。OSはWindows XPより前のものはサポート外とのこと。
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