追加要素はそれなりに面白い。及第点
PCゲーム批評 「DOOM3: Resurrection of Evil」

Last update:2007.03.20
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【シンプルイズベストはどこいった】

「Resurrection of Evil」はid Software監修の元、Nerve Softwareが製作した、DOOM 3の公式拡張パックである。idはQuake4もRavenに作らせていたのだが、どうやらPCの新作にはもうそれほど積極的ではないらしい。Carmackもゲーム開発からはほとんど引退状態だし、idの今後は少し心配なところだ。

それはさておき、このROEでは拡張パックにしては珍しく、2つの新要素を同時に導入している。まず一つは「Artifact」と呼ばれる特殊アイテムで、マップに最初から存在する人間の死体から魂を吸い取ることによってチャージし、発動すると一定時間、周囲の時間経過が遅くなる(Hell Time)、攻撃力が非常に高くなるなどボーナスを得られる。この特殊能力はゲーム中に3体出現する中ボスを倒すごとに強化され、発動すると今まで手に入れた能力を一度に発揮することができるが、基本的には時間の流れを遅くするために発動する能力である。これは少し前で言えばMAX PAYNE、最近で言えばF.E.A.R.のスローダウン効果に酷似している。

もう一つの要素は「Grabber」と呼ばれるもので、重力を制御して対象のオブジェクトを吸い寄せ、投げつけることができる特殊な武器である。というか昨年に出たHalf-Life 2のGravity Gunそのまんま。Source EngineよりD3 Engineの方が、物理計算でも凄いんだぜ!と言わんばかりである。ドラム缶を投げつけて敵を倒せるだけでなく、敵の放った火炎弾などもキャッチして投げ返せるようになっており、これを利用して敵を倒さねばならない場面もいくつか存在する。

簡単に言えば、ROEはDOOM 3にMAX PAYNEとHalf-Life 2を足して3で割った作品である。今までのシンプルな面白さを突き詰めていったDOOMからは想像できない取り組みだ。その節操のない、生き延びるために工夫する弱小生物の如きDOOMを目の当たりにしたとき、「これがかつて栄華を極めたあの"DOOM"のアドオンなのか…」と失望感を抱いてしまったのは、私だけではあるまい(作ったのはNerve Softwareなんだが)。


【Artifactは面白いが違和感を感じる】

実際にプレイしてみると、これらの新要素は思っていたよりかはゲームを面白くしていたのだ。まず特殊能力だが、結構大量に敵が出てくるゲームなので、スローモーションにして敵の背後に回りこみながらショットガンを連射するのはなかなか爽快である。特に新敵であるVulgarは動きがすばしっこく、素の状態だと苦戦するのでスローモーション効果は高く、ありがたみがある。

ただし後半は完全にこの能力を発動して戦うことが前提となっており、発動していない状態と能力差があり過ぎてバランス的にややおかしくなってしまっている。特に攻撃力がアップする「Berserk」効果は、誇張抜きで攻撃力を5倍くらいアップさせるので、これを発動していないと逆に戦闘が非常に厳しくなってしまう。それと補充がきき過ぎる。こういう特殊能力は、容量を調節してどこで発動するかを考えるのが楽しいと思うのだが、中盤以降は敵が出たらとにかく発動してしまえ、という感じになってしまう。

Grabberは特定のボスを倒すときと、弾が不足気味のときに重宝する武器である。敵の攻撃を逆にキャッチして反撃に使えてしまうのは面白い。ただHL2に比べると投げられるオブジェクトの種類が極端に少なく、そこらへんに積んである箱を適当に投げるだけになってしまうので、あまり周囲の環境を利用しているという感じが出てこないのが勿体無い。HL2のGravity Gunは、日常的な空間にある雑品を上手く利用して武器にするという設定で今までにない楽しさを生んでいた。だがROEのGrabberによる攻撃は、爆発性のドラム缶を撃ち抜いて敵を巻き込んでいるのと感覚的に変わらない。

一番おかしいところは、これらの要素がゲームの核となっているわけではなく、明らかな付け足しとして存在していることだろう。いかにも最近の流行を取り入れました的な空気が漂っており、少々浅はかで、ちぐはぐな感じがある。このゲームにこれらの要素が加わる必然性が見えてこない。実際やろうと思えば特殊能力はほとんど使わなくともクリア可能だ。


【本編を楽しめたのなら買ってもいいか】

FPS界屈指の人気武器であるDouble Barrel Shotgunは待望の復活となったが、初代DOOMのように一撃で複数のゾンビを吹っ飛ばせるような場面がなく、ただの威力の高いショットガンという感じになってしまったのは残念だ。レベルのデザイン方法に関しては本編を模しており、敵の出現パターンから謎解きまで本編そっくりで、idがまるまる作ったのかと思うほどだ。最後にはやはりHellステージが待っているのだが、本編同様ここが面白さのピークになっており、ハイテンション・ハイスピードな展開が連続し、非常に面白かった。

ROEは今までと全く異なる新要素を導入しているとはいえ、思った以上にそつのない無難な内容となっている。だが作品としては極端にまずい部分もなく、まずまずの出来に仕上がっているのではないだろうか。


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【動作環境】

必要動作環境 推奨動作環境
OS Windows 2000/XP -
CPU P4 1.5GHz以上、AthlonXP 1500+以上 -
RAM 384MB以上 -
VRAM 64MB以上 -
HDD 640MB以上 -

*:本編「DOOM 3」をインストールしている必要がある

本編を動かせたのなら特に問題はないはずである。拡張パックなのでHDDはそれほど使わない。


【入手状況】

拡張版は市場から消えるのが比較的早いが、この作品は2年経った現在でもまだまだ見かける。本編と2つ合わせて売られていることが多く、同時購入したいならそちらがお得となる。

【取り扱っている通販店】

Amazon.co.jp
Ensof Limited
I Feel Groovy

*:現在DOOM 3本編と拡張パックをセットにして(一つのパッケージにまとめられているのではなく、文字通り2つを一緒に)販売している形態を多く見かける。


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DOOM 3: Resurrection of Evil (C) 2005 Id Software, Inc. All rights reserved. Distributed by Activision Publishing, Inc. under license. DOOM and ID are registered trademarks of Id Software, Inc. in the U.S. Patent and Trademark Office and/or some other countries. Activision is a registered trademark of Activision, Inc. All other trademarks and trade names are the properties of their respective owners.

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