Desktop Tower Defense 批評
評価:シンプルにしてディープ

Last Updated: 2008.01.06 / First Edition: 2008.01.01




http://www.handdrawngames.com/DesktopTD/game.asp

Desktop Tower Defense(以下DTD)は上記のURLでプレイできる無料のFlash Gameである。いわゆるTower Defense系と呼ばれるタイプの、砲塔を設置して侵入者を撃退していく、昔ながらの古典的なStrategy Gameだ。このDTDでは虫だか病原菌みたいな敵が一定時間ごとに画面内に押し寄せてくるので、砲塔によって迷路を作り効率良く敵を撃退していくのがプレイヤーの仕事となる。敵に出口まで逃げられるとその分ライフが減り、0になったらゲームオーバーだ。

古典的で直感的に分かり易い作りになっているため、Strategy Gameでありながらルールは1分で覚えることができる。金を払って砲塔の設置とアップグレードを行い、あとは眺めているだけだ。敵の動きもゴールまで一直線に突進するだけで非常に単純。しかしながらDTDでは各砲塔や敵ユニットに面白い特徴づけをし、単純に一つの作戦を煮詰めてもクリアできないように上手くバランスを取っている。

例えば初心者の頃は、大群で押し寄せてくる敵を見て範囲攻撃をしてくれる砲塔が強いと考え、それらを多数設置して敵を撃退しようとするだろう。ところがこの作戦は"Dark"と呼ばれる防御力の高い敵が出現した時点で瓦解し、範囲が広い代わりに威力の低い砲塔では対処できなくなってしまう。では逆に単発の威力を重視した砲塔を設置するとどうか?すると今度は"Spawn"という敵が出現し、死ぬたびに分裂を繰り返して圧倒的多数の敵ユニットに対処できなくなってしまう。また"Flying"は地上に作った砲塔の迷路を無視して一直線に抜けていくので、単純に地上をガチガチに固めればクリアできる、という話でもない。

プレイヤーは砲塔同士の相互作用を考え、限られたリソースを上手く活用してこれら全ての敵に同時に対処しなければならない。このバランスが非常に良く出来ている。敵の進行するルートはプレイヤーの砲塔配置によって自由に制御できるので、強力な砲塔の攻撃を何度も効率的に浴びせられるような迷路を作るのが鍵となる。

難易度はEasy, Medium, Hardといったスタンダードなものの他に、特定の砲塔の設置が禁止されるような特殊ルールも多数用意されている。最初はMediumで始めるべきだがクリアしたらHardに挑戦してみて欲しい。Mediumだと一部の砲塔が制限されている上に敵が弱いので力押しでも何とかなる部分があるが、Hardでは砲塔の特性を理解しないとクリアできない難易度になるので深みが一気に増す。クリアした後もスコアアタックをする楽しみがあり、ハイスコアを目指すためにより効率的な砲塔配置を考えることになるだろう。特殊ルールは単なる余興ではなく、ルールが変わることによって定石や有効な戦法が変化し、また一から攻略法を考える楽しみが生まれるので良く出来ている。

DTDに一つだけ文句を言わせてもらうと、ジャグリングと呼ばれるハメ技があり、一部のルールにはこれを利用しないとクリア不可ではないかと言われるほど難易度が高いものがある。この手のテクニックは考える楽しみを奪ってしまう(ハメればどんな敵も殺せる)ので、もっとバランスを煮詰めて欲しい。理想を言えば全ルールをジャグリングなしでクリア可能なように調整すべきだ。

このDTDはFlash Gameなので見た目はショボイが、取っ付き易くて面白く、いつの間にか何時間も遊んでしまうテトリスのような中毒性がある。この作品には優れたゲームの条件が全て揃っている。これぞゲームだ。