Last Update: 2008.02.27 / First Edition: 2008.02.27
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Call of Dutyシリーズは、元は第二次世界大戦を題材にしたFPSである。あまりにも人気が出たのでその後シリーズ化され、PC専用であったものがコンソール市場にも進出し、コンソール版では他社開発で独自の進化を遂げている。CoDシリーズは本作で4作目だが、CoD3はコンソールのみの発売の上、他社開発となっていたため、Infinity Ward純正の正統な続編としてはCoD2以来となる。本作では今までとは題材を変え、現代戦を描いているのが特徴。発売直後は当然のようにバカ売れし、全機種を合わせると2007年に世界で最も売れたゲームソフトとなった。
●Singleplayer Mode
シングルプレイはCoD1よりも2に近いデザインで、戦闘が始まるとフィールドには敵も味方も大量に出現する。ランボースタイルで突っ込むとあっという間に蜂の巣にされて死んでしまうので、建物や瓦礫の陰に隠れながら射撃し、ジリジリと進んで標的爆破や味方の救出といった任務を達成することになる。この基本的な部分は変わらない。今作では銃弾が壁を貫通する要素がゲームに大きく組み込まれており、これを利用して隠れた敵を倒していくのはなかなか面白い。
ゲームを盛り上げるための演出には凄まじく力が入っている。キャラクタのモーションはポリゴンっぽさを全く感じさせず、扉を開けて部屋に突入する動作などは実に特殊部隊らしく見える。声優の演技、BGM挿入のタイミングはいかにも海外の人気ドラマのようで、爆発する建物からラペリングで脱出、絶体絶命の状況での防衛戦といった手に汗握る戦いを、これでもかというくらいの迫力の演出でプレイヤーに体感させてくれる。一般的にはここがCoD4最大の特徴と認識されているらしい。グラフィックが美しい割に軽めなのも良い。
しかし実のところ、シングルプレイは前作前々作と比べてそれほど面白いものとは思えない。以下にその理由を列挙してみる。
・演出過剰
一つのステージが終わる度に長いブリーフィングが入ったり、突入シーンが挿入されるので、その度にプレイを中断させられて興ざめする。ゲームの合間に演出が入るというより、演出の合間にゲームをプレイしているような錯覚を覚えるほど。これの象徴的存在としては、3番目と11番目の「戦闘も何も発生しない、見てるだけのステージ」が挙げられる。ローディング中のブリーフィング以外はスキップ不可という仕様もまずい。特にリプレイ時はこの演出が本当に冗長に感じる。
・敵が露骨に無限湧きしてくる
CoD4では「大勢の敵に立ち向かう」「銃弾の雨を掻い潜りながら移動する」といったシーンを再現する(要するに迫力を出す)ために、無限湧きをかなり多用している。しかも湧いてくるペースが非常に早く、敵の数が減ってから…と思って地道に戦闘をしていても一向に敵の勢いが衰えないため、プレイヤーは危険と分かっていても無謀な突撃を強いられる。そのためCoD4の攻略に求められるのは、敵を一体ずつ確実に倒していくことではなく、とにかくどんどん前進して敵の湧きポイントを抑えてしまい、無限湧きを止めることとなっている。これはFPSの戦術性をスポイルしており、アクションゲームとしてお粗末なバランスであると言える。倒しても無駄と分かっている敵を必死に倒し続けるのは阿呆らしい。なお湧き自体はCoD2からあったのだが、実際には倒していれば敵の勢いが弱まったり完全に全滅してくれる場面が多く、また2はSmoke
Grenadeを使って戦場を抜けるデザインだったため、それほど問題ではなかった。
・武器が万能過ぎ
初期装備は英国特殊部隊の物となるため、当然敵の持っている素のAK47などより性能が高くて狙いやすく、それだけで接近戦から狙撃までこなせてしまう。しかもこれまでの作品と違い弾薬の補充が利くので、他の劣化品に切り替える必要がなく、武器選択で悩まず、使い分ける必要もなく、銃撃音もショボイ。一言で書くと武器に味がない。CoD1,2では初期装備は高性能ながら、敵軍(枢軸)の武器と弾薬を共有できず、後半は敵の武器に切り替えなければならないのが楽しさを生んでいた。また突撃銃と狙撃銃も使い分ける必要があった。CoD4で使い分ける余地があるのは室内でのShotgunくらいのものだ。
総じて演出に偏り過ぎてゲームとしての面白さが軽視されており、FPSとしては大味でB級臭い作品になっている。Infinity
Wardが、大作が陥りがちなミスを犯してしまったのは残念なことだ。

●Arcade Mode
一度クリアするとプレイ可能になるArcade Modeは、シングルプレイにスコアシステムを加え、ハイスコアを目指して何度も挑戦してもらおうというもの。Serious
Samのように敵を倒すと単純にスコアが加算されるオマケ程度の内容ではなく、連続で敵を倒したりヘッドショットをするとスコアが多く入るという、Infinity
Wardなりにアーケードゲームを研究した内容のようだ。
だがこのArcade Modeには致命的な欠陥がある。それは何度もリトライするのが前提であるにも関わらず、ステージ開始時などの演出を本編同様スキップできないことだ。ステージをやり直す度に、何度も何度もあの長ったらしい突入シーンを見せられる。そのためArcade
Modeは本当に退屈なものになってしまっている。
●Multiplayer Mode
人口的にも、もはやCoDシリーズはマルチプレイがメインと言って良いかもしれない。発売直後のサーバー数20,000前後という数値は、そこらのマルチ専用タイトルを圧倒的に上回る。このプレイヤー数の多さがCoDマルチの最大の長所と言える。
このシリーズのマルチは一言で表せば「オーソドックスにバランスの良いFPS」という感じで、取り立てて引きつけられるようなフィーチャーはなかったが、CoD4では色々な要素が追加された。中でも面白いのはPerkというシステムである。これはプレイヤーの操作する兵士に対して「攻撃力アップ」「集弾性の向上」「リロードが速くなる」といった能力を3スロット分追加できるというもので、さらに装備する武器も自由にカスタマイズできる。これによってプレイヤーは「体力の高い軽機関銃兵」「足の速いサブマシンガン兵」といった、自分のスタイルに合ったキャラクタを作成できる。Perkには単純に能力を増加させるものだけでなく「死に際にPistolで反撃できる」「死んだ瞬間にGrenadeを落とす」といった特殊能力的なものもあり、フィールドに色々な種類のプレイヤーがいるのは面白い。
ただしPerkを使うための条件として、ある程度のプレイ時間(合計スコア)が要求されるのは馬鹿げている。全てのPerkを解除するためにはそこまで多くの時間がかかるわけではないが、参戦して間もないプレイヤーは一部のPerkや武器を選択できない、言わばハンデを背負わされた状態で戦わなければならない(上位のPerkや武器には明らかに便利なものがある)。またこれは「全て解除されるまでの辛抱である」という単純な話ではない。逆に言えば全てのPerkを使えるプレイヤーは、制限中のプレイヤーに対して最初から有利に戦えてしまうので、クラン戦ならともかく野鯖では実質公平な対戦が不可能となっている。一度アンインスコしたプレイヤーの復帰を躊躇わせる原因にもなるのではないかと思う(PC版の対戦データはローカルに保存される)。
さらに、武器のスコープやサイレンサーといったアタッチメントを解除するための条件として「特定の武器で何人倒す」といった、XBOX360にある実績のようなものが要求されるのも良くない。アタッチメントを解除したいプレイヤーは、無意識のうちに特定の武器を使うことに縛られてしまう可能性がある。すると本来は足元に落ちている敵の武器と交換することが最善でも、つい手持ちの武器で戦い続けてしまうという、純粋な対戦以外の要素が入ってきてしまう。全体的に、今までの作品より真剣勝負のカラーが薄くなってしまっているのは残念である。
実際のゲームバランスとしては、比較的良好ながらも、プレイヤー1人あたりの火力が高過ぎるのが問題となる。カスタマイズによって最初からGrenade
Launcherを持ったりFrag Grenadeを3個携帯することができるため、場合によっては撃ち合いというより爆破の応酬になる。爆風の威力を増すPerkがなければもっとマシになったと思うのだが。
PC版では最大対戦人数が32人まで引き上げられている(サーバーのスペック次第ではそれ以上の対戦も可能)ため、この問題がより顕著になっている。CoD4では5人連続Killで爆撃要請(任意の地点にいる敵を問答無用で殺せる)、7人連続Killで戦闘ヘリの呼び出し(AIが空から自動で敵を攻撃)というボーナスがつくのだが、マップ内の人数が増えれば増えるほどこの条件を容易に満たせるようになり、1人あたりの持つ火力が高いこともあって、人数が増えていくと加速度的にゲーム中の総火力が増加する。この加速が続いてある臨界点(具体的には12vs12くらい)を突破してしまうと、火力増加の爆発が起こり、3歩歩くと爆風で死ぬ、常に空爆が起きていて死ぬ、常に上空から攻撃されて死ぬ、という「ワケの分からない状態」に突入してしまう。そんな戦場の様子はまさにカオスだ。
PC版もコンソール版と同じく、対戦人数を18人程度に制限するか、専用の広いマップを用意すべきだった。「32人まで対戦可能なのは、18人制限に対して上位互換なので良いのではないか」と思うかもしれないが、どのゲームでも人の集まっているサーバーに人口が集中してしまうというのが常なので、うっかり32人対戦を開始した初心者などは「何もできずに死にまくった。滅茶苦茶なゲームだ」と感じて帰ってしまうかもしれない。
CoD4の対戦人数はマップサイズ的に8vs8くらいが適切で、さもなくば復活なしのSearch&Destroyなどがオススメだ。文句は多いが、マルチはこれはこれで十分楽しめる。

●総評
シングルもマルチも、よりカジュアル寄りになっているというか、大味な傾向にある。両方とも遊べるだけの水準は満たしているので総合的なボリュームでは悪くないが、CoDシリーズの最新作としては不満の残る完成度だった。
Demo版 4gamer.net/File Front/Gamers Hell/3D Gamers
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