Machinarium デモ版 プレイレポート

Last Updated: 2009.10.04 / First Edition: 2009.10.04





デモ版 ダウンロード (34 MB)
Big Download/FileShack

このゲーム、何の気なしにダウンロードしてプレイしてみたところ、開始直後から物凄い既視感を覚えて、これはあの名作フラッシュADV「Samorost」の雰囲気そのものじゃないかと思ったのだが、調べてみると開発のAmanita DesignはSamorostの作者たちが立ち上げた会社だった。そりゃ、似ていて当然だ。

Machinariumのゲームシステム自体は、オーソドックスなポイント&クリック型の2D Adventureである。ゲームの世界はロボットたちだけが暮らす錆付いたイメージのもので、スクラップ置き場に分解された状態で捨てられた主人公のロボットが、恋人のロボットを救い出すために「Black Cap Brotherhood」に立ち向かうというほのぼのとしたものだ。





プレイヤーは画面上のクリックできそうな箇所(ホットスポット)を探してクリックし、クリックした際のオブジェクトの反応などを見ながら、どうすれば先に進み次のレベルへ進行できるかを推理していくことになる。例えば一番最初はスクラップ置き場で身体がバラバラに分解された状態になっているが、近くを走り回っているネズミのロボットが何かを探し回っているサインを出しているので、目的のものを掴んで渡してやると主人公の外れた足を運んできてくれる。これで自由に歩けるようになるので、次に…という具合に、1つ1つの謎/パズルを、状況の観察と推理をしながら解いていく。

特徴的なのは、Samorostのときと同じく、謎解きのヒントが言語(文字/音声)によっては一切伝えられない、という点である。唯一文字が出るのは最初のレベルのチュートリアルくらいであり、それ以外は完全にジェスチャーとアートによってのみ情報が伝えられる、サイレントADVと呼べるような作りになっている(BGMや効果音は鳴るが)。

そうなるとプレイヤーはグラフィック上のヒントのみを頼りに謎を解いていく必要が出てくるのだが、このグラフィックと動作によるさり気ないヒント提示が、非常に高いレベルで行われている。少なくともこのデモの範囲では「絶妙」と表現してもいい。画面上のあらゆる絵や背景にヒントが隠されているのだが、それらは決して主張し過ぎることはなく、プレイヤーが注意深く観察するまでは完全に背景の一部として機能している。そして進行に詰まったプレイヤーが背景をじっと観察し、そのオブジェクトがそこに置かれている意味を理解したとき、頭の中に電流が走るような「ハッとする感覚」を覚えるのだ。Machinariumは紛れもなくSamorostの正当な後継作品である。





デモの範囲は短かったが、難易度は適切で、選択肢が少ないために1つ1つの謎は数分からせいぜい10分くらいで解けるように作られていた。また任意のタイミングでヒント機能を利用することもでき、ヒントボタンを押すとロボットの思考内容を吹き出しに表示してくれるようになっている。それでもどうしても解けないプレイヤーのためには、何故か「超簡単な横スクロールSTGをクリアすることによって完全なる解法が与えられる」という謎の救済措置も用意されているので心配無用である。

懸念材料としては、ホットスポットが「それをクリックできる状態にならないと出現しない」ことが挙げられる。通常のポイント&クリック型 ADVでは、まず新しい部屋に入ったら、そこでクリック可能なホットスポットを全てあぶり出してから推理に入るというのが王道の解き方の1つとなっている。しかしこのMachinariumでは実際にオブジェクトを作動させる場所まで移動したり、作動させられる姿勢を作っておかないと、そこがホットスポットとしては表示されない(カーソルの形状が変化しない)のだ。

つまり、まずグラフィックからどういった点を動かせるかを推理しないとならない。これは総当り的な解き方を避ける手段としては上手く機能しているが、最近のホットスポットが簡単に全表示されるようなADVになれている人は面食らうかも知れない。

また私の環境ではかなり動作が不安定で、何度かクラッシュを体験した。いつでもセーブ可能なので小まめにセーブしておけば被害は少ないだろうが、製品版では直っていて欲しい。




Machinariumのアートは非常に凝っており、細部まで徹底して描かれていて、それはこの作品の非常に大きな魅力となっているが、デザイナーはこの世界観を構築するために膨大な量のスケッチを残したそうだ。その仕事振りが実を結んだことは、このデモ版をプレイするだけでも十分に分かる。



本作は10月16日から予約価格$17(定価$20)でダウンロード販売されることが発表されている。Steamなどの大手デジタル販売サイトでも配信される予定のようなので、このデモを気に入った人はチェックしておくといい。





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