海外ゲームニュースサイトの歩き方 2011年版

Last Updated: 2011.07.13 / First Edition: 2010.05.10


原文を読むことの意義
海外ゲームを積極的に遊ぶが、自分で英語の文献を読み漁って積極的に情報を得ている人というのは、かなり少数派であると思う。実際、日本のメジャーなRSSリーダでの購読人数を調べてみても、海外サイトを購読している人はほとんどいない。最近では海外の情報を日本語で紹介しているサイトも多いので(このサイトもその1つだ)、それらを読んでいれば十分と考えられているのかもしれない。

しかし日本人 1人1人が英語の情報源を当たっていく必要がないかと言えば、全くそんなことはない。日本に入ってきて日本語で紹介されるニュースなど極一部であり、大抵はメジャー作品の情報に限られている。実際、私自身も伝えるべきことの一部しかニュースとして発信できていないというのが現状だ。

また最近は日本国内でのニュースサイトのレベルも上がり、さすがに低レベルな手抜き記事は減少してきたが、やはり間違い情報、勘違い記事が流れることはまだまだある。海外の情報を日常的に拾っている人なら正確な情報が書けるだろう、という思い込みがあるかもしれないが、実際にはそんなことはなくて、誤情報は今でも多い。事情としては「ゲームニュースを書ける人間は大抵他言語の専門家ではないこと」や「海外ゲームの情報は英語さえ読めれば正確に伝えられるという単純な話ではない」という困難さが挙げられる。

そして厄介なことに、ほとんどの日本人がニュースソースを読まないのをいいことに、それら勘違い記事が修正されることは滅多に無い。誤った情報が誤ったまま流れていき、最悪の場合はさらにメジャーなポータルサイトへも不正確なまま転載される。

ではどうすれば海外で眠っている良記事を発掘し、誤った情報に踊らされずに済むのか?自らニュースソースを読むことが最も手っ取り早く確実である。あなたが真に価値ある、ゲーム界の最先端を見たいのならば、今こそ海外のニュースソースを自らの眼で読む時だ。



入門者へ向けた15のTips
  • マウスオーバー辞書を有効化すべし。恐らく現在最強なのはPop Jisyo
    これは単語にカーソルを当てるだけで代表的な日本語訳を教えてくれる便利なツール
  • 情報を効率的に収集するために、RSSリーダを活用すべし
  • 扱い易いオンラインのリーダとしてはGoogle Readerがオススメ
  • 多くをカバーしようとすると読み切れなくなる。自分に合ったサイトを1-2つ読むのが良い
  • 他国の言語を読むことは、慣れないうちはかなり疲れるので、流し読みから始めると良い
  • 最初の頃は見出しと、その上に貼られた画象を見ていくだけでも十分
  • 最初の頃は、できるだけ平易な言葉で簡潔にまとめられた記事を読む
  • 仕事や義務でなければ、記事の隅々まで正確に理解する必要はない
  • 知らない単語は一々調べないでスルー、気になったものだけ調べる
  • 単語の意味を調べるときは「xxxx 意味」あるいは「xxxx 訳」でググる
  • 熟語の意味を調べるときは「"xxxx yyyy" 意味」あるいは「"xxxx yyyy" 訳」でググる
  • 知恵袋や教えては参考になる
  • 最近のオンライン辞書は発音を聴くことができる
  • できれば辞書で語源と発音を調べるのが理想だが、調べ過ぎるとテンポが悪くなる。気楽に
  • 個人的にオススメの辞書は「ウィズダム英和辞典 第二版」。辞書としての基本機能はもちろん、分かりやすく色分けされていて非常に使いやすい

ウィズダム英和辞典 第二版
ニュースサイト解説
海外のゲームニュースサイトを独断で分析し、どのような読者に合っているかを解説していく。

全部を書くとあまりにも長くるので、本当にメジャーなものだけに厳選した。ここで取り上げているのは基本的に総合ニュースサイトであり、個々のジャンルに特化したポータルサイトというのもまた存在し、それらには最後にリンクを貼る。

※:分析項目にあるリッチ度とは、記事内でリッチコンテンツ(画象や動画)をどれだけ使っているかを表したものである。



範囲 PCのみ
冗長性
記事数
読解難度
リッチ度
コメント数
レイアウト Blog系
メジャーなPCゲーム専門誌としては唯一の生き残りとなった『PC Gamer』のWebサイト版。以前までFuture Publishing系列のゲームサイトは、実質的にGamesRaderに集約されていたが、2010年6月にPC Gamer UKとUSが合同で運営するサイトとしてリニューアルオープンした。

PCゲーム専門サイトだけあり、他のニュースサイトでは拾われないようなマイナーなネタもしっかり拾ってくれるのが嬉しい。ニュースだけでなく、マガジン的な特集記事やゲームのTipsなども充実しており、記事の質も高い。PC Gamerのエディターたちは、自身のSteamコミュニティを立ち上げてマルチプレイゲームを行うほどのバリバリのゲーマーなので、実戦的なTipsが掲載されている。

PCゲームの情報収集をするなら、個人的にイチオシのサイト。





範囲 PCのみ
冗長性
記事数
読解難度
リッチ度
コメント数
レイアウト テキスト系
昔から定番のニュースサイト。完全な機能性重視で、ニュースを伝えるのに必要な言葉のみを、最小限の文字数で書き綴っている。そのためニュースの一覧性に優れており、画象はいらないから必要な情報のみを最小限の労力で手に入れたい場合は最適のサイトと言えよう。サイトそのものがRSSのようになっているため、ホームページとして設定するポータルサイトにも適している。

ネット上に存在する膨大な数のインタビュー記事やレビュー記事のアンテナサイトとしても機能しており、そういった情報はタイトルリンクのみで大量に並べられている。この中にはハードウェアレビューも含まれている。海外のニュースサイトとしては化石級のテキストサイトで、リニューアルなどに全く感心がないようだ。

迅速に大量の情報を手に入れられるサイトとしてオススメだが、トップページには広告以外の画象が全く貼られておらず、また情報が大量に並べられているだけなので初心者には扱いにくいサイトかもしれない。





範囲 PCのみ
冗長性
記事数
読解難度
リッチ度
コメント数
レイアウト Blog系
いわゆる、メジャーから離れた場所にあるクールな話題を扱うBlog。通称RPS。記事数はさほど多くなく、ライターの興味のある話題を気ままに扱っていくタイプに見える。

メジャーなゲームの記事もあるが、目玉はマイナーなゲームのデモ版プレイレポートやインタビュー、注目に値するModの紹介などである。それらを書き手が実際にじっくり遊んでから詳しく書いているところが、5分だけプレイしてさも全てを見てきたかのようにペラペラと喋りだす凡百の知ったか腐れ売国奴のクロレビゲームメディア共と一線を画している点と言えよう。

非メジャー系の話題を掘り下げていくタイプで、記事自体も冗長なので読み手をかなり選ぶが、表には出てこないクールなゲームの話題をキャッチしたい人にはうってつけのサイト。全体の落ち着いた感じのレイアウトも良い。

最近までMod情報を積極的に扱っていたのだが、Mod Newsコーナーが廃止されそっちの情報は少なくなっていくようだ。やはり普通のニュースサイトでModの話題を扱っても人気が出ないのだろう。





範囲 PC/コンソール
冗長性
記事数
読解難度
リッチ度
コメント数
レイアウト Blog系
Kotakuとは「小オタク」という意味であり、タイトルが表す通り日本のネタを好む傾向にある。特徴はPCからコンソールまで、幅広く雑多なネタを扱っていること。メジャーなニュースサイトに掲載されている情報から、ゴシップ、うわさ話、4chanやNeoGAFにアップされたネタ画像まで取り扱い、面白ければ何でも取り上げるという感じ。

他のニュースサイトにはないネタを探す場合はKotakuが最有力候補となる。タレコミが多く、噂やリーク情報の一次ソースとなることもよくある。

ただし雑多なネタを扱っている分、興味のない情報も大量に流れてくるのでノイズ多め。PCゲームの情報だけ欲しいという人にはオススメできない。また文章もかなり冗長にネタっぽく書かれているため、まじめに情報だけ集めたい人にはあまり向かないサイトと言える。レイアウトもゴチャゴチャした印象を受ける。

Kotaku Japanという日本版サイトもあり、一見本家のコンテンツを純粋に翻訳しているように見えるが、本質は似て非なるものである。





範囲 PCのみ
冗長性 人それぞれ
記事数
読解難度 人それぞれ
リッチ度 人それぞれ
コメント数 ものによる
レイアウト ポータル系
Mod/インディーズゲームの情報といえばここ。英語圏のMod情報がほぼ全て集まると言っても過言ではない。ニュースからMod本体のDLまで揃っている。現在ではインディーズゲーム用には専門のIndie DBが設置されているが、人口は圧倒的にMod DBの方が上なので、インディーズゲームの中にはIndie DBとMod DBの両方にページを設置しているところもある。

ユーザー主体で記事もMod製作者が勝手に制作しているため、文章の書き方などは人それぞれである。スキンなどを数多く取り揃えたGAME BANANAに比べると、Mod DBではある程度ゲームプレイ内容を改変するModやTC Modの情報が主となる。

ほとんどのModプロジェクトはここにも専用ページを構えており、中には公式サイトは放置しているがMod DBのページは更新していたり、Mod DBを公式サイトとして活用しているプロジェクトもある。つまり各地に分散した公式サイトよりも、Mod DBの方が人が集まりやすいのである。公式サイトと併用している場合は記事内容がミラーリングされていることが多い。ある意味では各Modの本拠地が集結した場所とも言える。

Modということで必然的に情報がマニアックであり、特に様々なジャンルのModがゴチャゴチャに集まるトップページは、PCゲームに広く精通していない限りノイズだらけで意味不明になる。オススメの活用方法は、気になるModのRSSを取得すること。Mod DBではプロジェクトごとに専用のRSSが配信されているので、それで知っているModの情報を追跡していくのが一番実用的である。

ほとんどが非商用ゲームの情報なので、せっかく情報を追っていても途中で頓挫するプロジェクトや、スケジュールが遅れまくるものが多い。むしろ完成まで生き残っているプロジェクトの方が少ないと言えるだろう。そんなわけで配信されるニュースの多くは、息長く続いているプロジェクトのアップデート情報である。

年末に開催されるユーザー参加型の投票イベント、Mod of the Year (MOTY)はModファンたちにとって一大イベントの一つ。企業が決めるしがらみだらけのGOTYと違い、本当にゲームが好きな者たちがお気に入りのModを選ぶ。

現在はDesuraという、Modとインディーズゲームに特化したダウンロード販売サービスも開始している。





範囲 PC/コンソール
冗長性
記事数
読解難度
リッチ度
コメント数
レイアウト 総合系
ゲーム開発やビジネスに関連する話題を中心にしたサイト。人材の流れや市場動向といった部分に関しかなり詳しい情報が載る。

普通のニュースサイトとしてもかなりの記事数を誇るが、目玉は数ページにわたる詳細な特集記事。「xxxxの歴史」「xxxxなデザインへの挑戦」といった、マニアックな観点からの濃密な特集やインタビューを読めるのはGamasutraだけ。ただし全体的に画像少なめでデザインも少々古臭く、文字がビッシリ書かれている昔ながらのテキストサイトなので読むのは疲れる。

英語を読むのに慣れた、ディープなゲームファンにオススメできるサイト。





範囲 PCのみ
冗長性
記事数
読解難度
リッチ度
コメント数
レイアウト テキスト系
これはニュースサイトではなく、あくまでDL販売サービスである『Steam』のニュースを扱うページである。しかしSteamはメジャーなゲーム作品のほとんどを扱っている関係で、このニュースページにはゲームがアップデートされた際のChangelog(変更点一覧)が直接的に掲載される。特にTF2のようなSteam専用ゲームの変更点はここが一次ソースとなる。

Steamで扱っているゲームのアップデート情報を追うならチェックしていくべきだろう。またここにはSteamのセール情報や新着ゲームに関する情報も掲載される。





範囲 PC/コンソール
冗長性
記事数
読解難度
リッチ度
コメント数
レイアウト Blog系
PCからコンソールまで、幅広いジャンルのニュースやプレビューを扱う大手サイト。以前はPC専門のJoystiqと言えるBig Downloadがあったので、PCゲーマーがあえて読む必要はあまりなかったが、Big Downloadは2011年4月30日に閉鎖してしまった。同時にファイルホスティングサービスもJoystiqに統合されている。

他のニュースサイトと比較しても記事の多さ、読みやすさなどの点で質は高い部類に入る。単語も比較的平易なので日本人にも読みやすいだろう。特徴としては姉妹サイトだったBig Downloadに似たようなものである。Big Downloadの代わりとして考えると、コンソール系の記事が多いのでPCゲーマーにとってはノイズが多い。またファイルのDL速度はBig Download時代よりずっと遅いので、Shacknewsと同じくあえてここからファイルを落とす必要はなくなってしまった。

サイトとしての質は高いのだが、PCゲーマーがBig Downloadの後釜とするにはやや使い勝手が悪い。





範囲 PC/コンソール
冗長性
記事数
読解難度
リッチ度
コメント数
レイアウト Webマガジン系
以前は安定した記事の読みやすさ、供給量、FileShackによるファイルのDLサービスで高い質を誇っていたサイト。しかしこのサイトは2011年に入ってからリニューアルし、それまで分離していたファイルホスティングサービスであるFileShackと統合された。記事数もほぼ半減し、実質的に規模が縮小されたと見ていい。

同時にサイトレイアウトはBlog系からWebマガジン系に変化している。しかし背景が真っ白で単調になってしまい、以前よりセンスが感じられないのは残念である。規模の縮小に伴ってコメント数も減少しており、以前よりコミュニティとしての機能が低下している。またファイルホスティングもFileShack時代に比べてかなり弱くなり、現在ではあえてこのサイトを利用する理由がない。

記事の読みやすさなどは相変わらずなので、ニュースサイトとして使いやすくはあるが、以前に比べると1つのよくあるニュースサイトになってしまったという感じ。





範囲 PC/コンソール
冗長性
記事数
読解難度
リッチ度
コメント数
レイアウト ポータル系
言わずと知れた業界最大手。Game SpyやVoodoo Extremeを傘下に収めている。ニュースサイトというより総合情報サイトであり、その情報量は膨大である。発売日から完成している攻略情報や、女性キャスターがナレーションを務める金のかかった動画、ビデオレビューなども有名。

カテゴリごとに閲覧することが可能なので、PCのニュースのみ読んだり、PCニュースのみのRSSフィードを取得することもできる。ただしニュースには画象や動画が使われていないので視覚的に寂しく、また現在は無地の背景に文字が並べられているだけなのでやや読みにくい。文章自体は割と分かりやすく書かれているが、上で紹介したサイトに比べるとやや冗長に書かれているので、必要な情報だけ取得していくには非効率的である。

サイトそのものは様々な情報が溢れているので色々な記事を読みたい人には合っているが、ニュースに限定するとこれといって長所がない。ニュースではなく、独占的に早く掲載されることの多いプレビュー情報の方が貴重である。なおIGNはYouTubeに専用チャンネルを持っており、このチャンネルを購読するのはオススメ。毎日大量のニュースやビデオレビューがアップされるので、TVを見るかのようにゲーム業界の動向を知ることができる。

こんな動画







範囲 PC/コンソール
冗長性
記事数 普通
読解難度
リッチ度
コメント数 大量
レイアウト ポータル系
古くからある海外大手サイト。現在はCNET (CBS)系列になっている。性質的には同じポータルサイトなのでIGNに似ている。全体的な印象はデザインがクールになったIGNという感じである。2010年5月現在のデザインでは、GameSpotの方が仕切りがしっかりしているので閲覧性が良い。

PCコーナーをトップページとしてブックマークすればPCゲームの情報だけ得ることもできる。ニュースは詳しく書いてある代わりに文章量が多く、英語を読むのに慣れていないと疲れるだろう。そうでなくとも様々な情報を素早く取得していきたい人には向かない。話の前後関係も含めて詳しくニュースを知りたい人向けと言える。

コメントのつきやすさはIGN以上で、話題性の高いニュースでは3桁のコメントがつくのは当たり前である。ただ一覧性が低く、少し前のコメントを読むにもページをめくらないといけないのが面倒。ニュース以外のコンテンツでは、多数のユーザーレビューが昔から蓄積されており、いろいろな意見をまとめて読みたい時に便利である。

なお日本版GameSpotというものも存在するが、日本のコンソール/オンラインゲーム中心で海外ゲームの情報源にはほとんどならない。翻訳記事も中途半端に端折られているので本家を見た方がいい。
その他の有名なニュースサイト

* 総合
1UP.com
Videogaming247
Voodoo Extreme

* ビジネス
GamesIndustry

* Strategy
The Wargamer

* RPG
GameBanshee
RPG Watch

* Adventure
GameBoomers
Adventure Gamers

* Flight Simlator
FlightSim.com

* Sub Sim
Subsim.com





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