プレイ時間:シングルプレイとCo-opで何周もプレイ
2001年で最高のFPSを教えろと言われたら、この作品を挙げるしかない。
大量に迫り来る敵群と、それに立ち向かうたった一人の男というシンプルな設定。一見乱雑で派手さ・奇抜さを売りにしたバカゲーのように見えながら「普通にFPSしているだけ」で楽しい完成度は『Doom』以来のものを感じさせる。敵キャラクターは主に、突進力を武器にした肉弾戦主体の雑魚を中心に徒党を組んでいるため、敵が到達するまでの時間を計算しながら最適の武器を選択して応戦せねばならない。
敵の方が速度が上なので、バック移動で逃げ続けるのはまず不可能。接近された後はフットワークの勝負となる。相手の突進タイミングに合わせながら横移動を混ぜ、すれ違う敵にショットガンを叩きこむ快感といったら、ない。「紙一重で敵の攻撃をかわす接近戦」の面白さを本作以上に上手く実現したFPSを私は知らない。
あまりにも広大で、あまりにも敵の数が多く、屋外レベルでの戦いは包囲戦の様相を呈する。ここでは高難度のDoom WADと同じように「空間把握をしながら大群を捌く」ことが求められる。360度から迫ってくる敵群を相手に、正面の戦いのみに集中するというのは命取りで、プレイヤーは背後の敵の動きも、見ずに予測して常に動きまわらねばならない。即ち、背中にも目をつけて戦うことが要求されるのである。
全てを把握しながら戦えるわけではないので、ある程度は勘を頼りに大局的な動きをするのも必要。「ここはそろそろ危険だな」と感じたら、思い切って大きく動いて敵の集中・拡散をコントロールしていかなければならない場面もある。そうでないと、Normalですらクリアは覚束ない。
無双系のゲームと違うのは、数の割に敵の一体一体が強いこと。鎧袖一触に雑魚の群れを蹴散らすような、爽快感のみを抽出してくれるようなゲームではない。それどころかセオリーを分かっていないうちは、あっという間に敵の大群に轢き殺される。だが正しく判断すれば、的確に動けば、理不尽無くしっかり攻略できる確かな「ゲームとしての基盤」がある。だからこそ、このゲームは面白い。
完成度の高い作品であると同時に、至高のエンターテイメント
いわゆる大作というものは、どうしても「高尚なもの」になろうとする傾向があるが、そんな風潮を笑い飛ばすCroteamが私は好きだ。
このゲームはデザイン的にもテクノロジー的にも、2001年の水準で考えると凄く洗練されていて高度なことをやっている。だがCroteamは気取らない。いきなり作中で、主人公にインディージョーンズの曲の口笛を吹かせておちゃらけてしまう。
それはゲームデザインにも表れていて、大人数Co-opしてお祭り騒ぎ的に楽しむこともできれば、シングルプレイや少人数Co-opで「ガチプレイ」しても楽しめる。その懐の深さがいい。もちろんこのゲームが楽しいのは、裏では徹底してゲームに必要なものを計算しているからである。これこそが一流のエンターテイメントである。
現在では『Serious Sam HD: The First Encounter』としてリメイクされており、多くの人はそちらでプレイすることを好むと思う。しかしながらクラシック版にもセーブ&ロードの速さや、よりシビアなゲームバランスといった美点があり、ある程度は差別化されている。ゲームバランス面で言えば、個人的にはHD版よりもオリジナル版が好みである。HDリメイクされた今でもクラシック版をプレイする理由が消えたわけではない。
