Doom (ドゥーム) 批評

2007年9月7日

最も普遍的なFPS

今日のFPSというジャンルの礎となり、今なお進化を続ける伝説的作品。このジャンルが急速に進化を始めたばかりの時代に、いきなり最高傑作が誕生してしまった感じで、アクションゲームでいうと『スーパーマリオブラザーズ』のポジションに極めて近い。

『Doom』の偉大な特性、それはFPSとしての基本構造の美しさと、撃つ・避ける・倒すのみにフォーカスしたことによる「普遍性」である。敵の情報を把握し、瞬時に戦闘方法を決定して、飛んでくる嵐のような火炎弾を避けながら銃弾を叩き込む、FPSの原初の面白さの全てがここに詰まっている。

シンプルなゲームに見えるが、敵の同士討ちをデザインの一部として取り込んだことや、個性溢れるモンスターそれぞれに対し異なる対処が必要になるなど、現代の水準で見ても『Doom』のゲームデザインは合理的でレベルが高い。Carmackの技術が、Romeroのデザインが、Adrianのセンスが、American McGeeの異彩が、全てが結実してこの傑作を生み出している。

そのため本作はWAD(カスタムマップ/Mod)を遊ぶためのツールとしても価値が高く、今日でも日々、新たな技術やデザインを盛り込んだWADが誕生している。バニラ状態でのグラフィックは3Dマップとスプライトを組み合わせた擬似的なものなので正直かなりショボいが、数々のソースポートを活用することで様々なエフェクトを追加したり、ゲームを完全3D化するといったことも可能である。

現在では内容を拡張した『Doom 2: Hell on Earth』の方がツールとしての価値は高いのだが、もちろんWADを遊ばず本編だけで今でも十分プレイする価値がある。FPSファンならば絶対に外せない作品の1つだ。なお現在入手するとなると、追加エピソードを含む『Ultimate Doom』になる。



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