DOOM 作品解説

Last Update: 2007.10.15 / First Edition: 2007.03.22
批評/HOME


ゲームタイトル:
DOOM (ドゥーム)

プラットフォーム:PC,SFC,PS など多数
ジャンル:First Person Shooter
発売日:1993.12.10
製作:id Software
販売:id Software, 他
ゲームエンジン:DOOM Engine

メディア:FD, CD
体験版:シングルデモあり



●ストーリー

軍事企業「Union Aerospace Corporation (UAC)」は、火星の衛星であるフォボスとダイモスの間で極秘にワープ装置の実験を行っていたが、何らかの原因により地獄と空間が繋がってしまい、そこから無数のモンスターたちが基地に雪崩れ込んできた。UACはすぐさま調査のために部隊を派遣するが全滅してしまい、逆にゾンビとして人間に牙を剥くようになってしまう。プレイヤーは部隊で唯一生き残った人間(通称"Doomguy")として、地獄と化した基地からの生還を目指す。


●ゲームプレイ

プレイヤーは開始時にピストルを1丁持った状態で始まり、たった一人でモンスターを倒していかなければならない。3つのエピソードに隠しステージを含めて9つのレベルが用意されており、全27レベル構成となっている(The Ultimate DOOMでは4つのエピソードと36レベル)。各エピソードはNew Game選択時に自由に選ぶことができ、どのエピソードから始めても構わない。また一つのエピソードが終わるとNew Gameで新しくゲームを始めることになる。ゲーム中に死ぬと、ピストル 1丁の状態でそのレベルを最初からやり直すことになる(なおゲーム中は自由にSave&Lord可能)。

各ステージは最大3種類用意されている鍵を探すことによって進行し、閉じたドアに対応する色の鍵を発見して、ドアをアンロックしながら奥へと進む。一つのステージが終わるとそこで手に入れた鍵はなくなり、次のステージでも再び鍵を探すことになる。武器や弾薬に関しては死なない限り持ち歩くことができる。


"The Ultimate DOOM"の最初の場面


●開発経緯

DOOMの開発は、Wolfenstein 3Dが発売されてからしばらく経った1992年9月に始まった。当初、このゲームは映画「エイリアン」を元にした版権物のゲームとして開発される予定だったが、権利を持つ会社から許可をもらえなかったために方針を変更したという。

また開発の初期段階では、DOOMはTom Hallの書いた"Doom Bible"と呼ばれる構想に従い、ストーリーを重視したゲームになるはずだった。しかしメインプログラマーの1人であるJohn Carmackがこれに反対したため、ゲームはよりシンプルでアクション寄りの内容になることに決まる。ただしこの"Doom Bible"に書かれた内容は、DOOMのストーリーの基本的な設定として採用されることになる。この他にも初期段階では特殊な効果を発する(?)アイテムが存在したらしく、完成した物より複雑なものを作ろうとしていたことが分かる。

John Carmackは開発段階で既に、ユーザーたちにゲーム内容を変更できるエディターをリリースすることを約束し、一部のユーザーには実際にテスト版を渡していた(これが後の巨大なMODコミュニティ誕生に繋がる)。


●αバージョン

DOOMは発売前に0.2, 0.4, 0.5といったα版(ゲームの一部分しか作られていない未完成バージョン)が一部のテスターやメディア向けに公開されていた。これらにBGMなどは含まれておらず、HUDのデザインなども製品版と大きく異なっていたという。

Alpha 0.2 1993年1月にテクノロジープレビューのために公開。遊べるのは1レベルのみで、使える武器はShotgunのみ、出てくる敵はImp, Demon, Baronの3種類。HUDには多くの情報が表示されているが、ほとんどは機能未搭載の”飾り”であった。またマップに高低差のある場所も存在しない。
Alpha 0.4 1993年4月、テスター向けに公開。13レベルを含んでおり、その中には製品版に含まれるマップもあれば、最終的に削除されたレベルも含まれていた。ただモンスターはプレイヤーに対して反応せず、HUDは現在の形に近づいたがほとんど何も表示しなかった。この段階でLost Soulの存在も確認できたという。
Alpha 0.5 1993年5月、テスター向けに公開。0.4とは若干異なる13レベルを含んでおり、実際にモンスターに向けて発砲し、相手を消滅させることができた。またHUDがようやく機能するようになっており、プレイヤーの情報を表示するようになった。


Alpha 0.2のゲーム画面


●評価

DOOMは発売後から非常に好調な売れ行きを示し、150万本以上の売り上げを記録した。またシェアウェア版のダウンロード数は1,500万件から2,000万件とも言われている。このゲームをALL TIME BEST、不朽の名作だと評価するファンは非常に多い。このゲームの発売以降、所謂「DOOMクローン」と呼ばれる亜種が数多く発売され、後継作である「Quake」の発売までこの手のゲームが氾濫することになる。

その一方でゲームに無関心な層からは「過度に残虐なゲームは子供たちを暴力的にする」として批判を浴びせられるようになり、これは現在でもゲーマーとそうでない者たちの大きな溝として残っている。またDOOMの影響は余暇だけでなく会社の勤務時間に及ぶこともあり、社内で勤務中にこっそりネットワーク対戦をされることが社会問題にまで発展したため、PCからDOOMを探し出して削除するプログラムが出回ったほどである。


●擬似3D空間とは

Quakeより前のゲームをプレイしたことがない世代にとって分かりにくいのが、この「擬似的な3D空間」という概念だろう。この時代の3D空間とは、簡単に言えば平たい平面の空間に凹凸を作って無理やり3Dに見せているのである。そのため内部的には高さの概念がなく、また一見3Dに見えるが、そこに存在する人物やオブジェクトは決められたパターンのアニメーションしか見せない。例えば我々の現実世界では、他人の斜め後ろに回り込めば、その人物の斜め後ろを見ることができる。これはQuakeでもそうである。ところがWolfenstein 3DやDOOMでは、敵の背後に回り込もうと移動しても、相手もこちらの移動に合わせて向きを変えてしまう。立体的に見える敵は実際にはハリボテであり、あくまで敵の正面しか存在しないのである。

死体はこちら側に頭を向けているが、反対側に回り込んでもやはり同じ方向を向けている


●現在のFPSとの主な相違点


●登場する武器

Punch:素手で殴りつける。バーサク状態だと非常に威力が高い。
Chainsaw:敵一体を素早く切り刻むことができるが、接近する必要がある。
Pistol:初期装備。威力が低く連射速度も遅い。
Shotgun:メインとなる武器で、散弾銃となっており総ダメージは高い。
Chaingun:Pistolと同じ弾を高速で発射することができる。
Rocket Launcher:ミサイルを放って着弾点と周囲に爆風ダメージを与える。
Plasma Rifle:エネルギー弾を高速で連射する。
BFG 9000:強力なエネルギー弾を放ち、着弾点と周辺の敵に致命的なダメージを与える。


●主な敵キャラクター

Zombie:死んだ兵士が復活したもの。PistolかShotgunを所持している
Imp:火炎球を放って攻撃してくるモンスター
Demon:大きな体のほとんどが顔になっているモンスター。噛み付いてくる
Spector:Demonが半透明化したもの。場所によっては非常に見えずらい
Lost Soul:髑髏だけが炎を宿して浮遊し、プレイヤー目掛けて突進してくる
Cacodemon:巨大な顔だけのモンスター。口から火炎球を吐く
Baron:非常に耐久力の高い上級モンスター。光球を投げて攻撃してくる
Cyber Demon:半機械・半悪魔の殺人サイボーグ。腕からロケットランチャーを連射してくる
Spider Mastermind:4つの機械の足の上に脳みそが乗っかっており、マシンガンを連射してくる


●レベル構成

Knee-Deep in the Dead The Shores of Hell Inferno

E1M1: Hangar
E1M2: Nuclear Plant
E1M3: Toxin Refinery
E1M4: Command Control
E1M5: Phobos Lab
E1M6: Central Processing
E1M7: Computer Station
E1M8: Phobos Anomaly
E1M9: Military Base

E2M1: Deimos Anomaly
E2M2: Containment Area
E2M3: Refinery
E2M4: Deimos Lab
E2M5: Command Center
E2M6: Halls of the Damned
E2M7: Spawning Vats
E2M8: Tower of Babel
E2M9: Fortress of Mystery
E3M1: Hell Keep
E3M2: Slough of Despair
E3M3: Pandemonium
E3M4: House of Pain
E3M5: Unholy Cathedral
E3M6: MT. Erebus
E3M7:Gate to Limbo
E3M8:Dis
E3M9: Warrens

The Flesh Consumed (The Ultimate DOOM のみ)
E4M1: Hell Beneath
E4M2: Perfect Hatred
E4M3: Sever the Wicked
E4M4: Unruly Evil
E4M5: They Will Repent
E4M6: Against Thee Wickedly
E4M7: And Hell Followed
E4M8: Unto the Cruel
E4M9: Fear

*:それぞれM8が最終レベルとなっており、M9は隠しレベルとなる


●マルチプレイ

このゲームは当事、シングルプレイの内容よりむしろ、Wolfenstein 3Dになかったネットワーク対戦が可能なことで話題となった。Deathmatchという対戦形式の他、シングルプレイと同じマップを協力してプレイできるCooperativeもサポートしている。当事はLANかKali(遠隔でLAN対戦をするソフト)を利用してマルチプレイが行われていたが、遠隔地での対戦は快適とは言いがたく、非常に酷いラグが発生して圧倒的に不平等な環境で対戦を行わなければならなかった。しかし現在はZdaemonなどのソフトの普及により、通常のオンラインゲームと変わらない環境で比較的快適なプレイができるようになっている。



●動作環境

必要動作環境 推奨動作環境
OS Windows 95/98/ME/2000/XP -
CPU i486 50MHz -
RAM 8MB (64MB for XP) -

※:既にDOS版は手に入らないと思うので、DOOM 95を動かす際の動作環境を記した

DOOM 95を動作させる場合、意外にもWindows XPであってもすんなり動作させられることが多いが、そのままだとマウスが使用できないので、現在はZDOOMなどの拡張MODを利用するのが一般的となっている。


●入手状況

DOS版のものは入手困難だが「DOOM Collector's Edition」というThe Ultimate DOOM, DOOM 2, Final DOOM(2のアドオン)の3作をまとめたものが広く流通しているので、簡単に手に入れられる。ちなみにマイピックというところからオンライン日本語マニュアル版のCollector's Editionも出ていたのだが、現在では見かけない。純粋なDOOMはほとんど存在しないが、The Ultimate DOOMは追加レベルとわずかな細かい変更点のみなので、特に初期DOOMを購入する必要はないと思われる。

ENSOF LIMITED
I Feel Groovy



批評/HOME

DOOM, Ultimate DOOM (C) 1993 Id Software Inc. All rights reserved.

Copyright © GAME LIFE 2004-2007 All rights reserved.